環境教育＝防災・減災教育（山形県立米沢工業高等学校）

　県立米沢工業高等学校では、社会を取り巻く情勢が変化する中、地球環境に配慮して安全で快適なまちづくりを基本に、実践的・体験的な学習活動を通して、地域や社会の健全で持続的な発展を担う工業技術者の育成を目指しています。
建設環境類では、地域の歴史やくらしには環境が密接に関わっていることから、環境を中心に物事を考えると理解が深まりやすいという視点で授業が進められています。災害や地形の変化が起きたことで現在の生活があることを理解したうえで、環境にやさしい施工、災害防止と砂防堰堤の関係、河川状況と生息している生き物への影響などを考えた土木施工の実習等が行われています。
　また、置賜地域の小中学校において、「置賜地方における防災・減災の学習『歴史・環境とともに生きる』～災害を考え行動する」というテーマで出前講座を実施しており、小中学生のグループに高校生が加わり、グループワークや話し合いを行っています。世代が近い地元の高校生がグループに入ることで環境や防災を身近なものと感じ、通常の授業とは違う新鮮で印象に残る学びとなること、教える側の高校生は、小中学生の多様な発想を受け止めることで気づきが得られて創造力が深まり、柔軟な発想が生まれることに繋がっています。
　このほか、学校の各科が連携して、小規模水力、風力、太陽光などの自然エネルギーを活用した設備の製作と発電の実証実験、電気自動車や間伐材を使用したエコハウスの製作に取り組むなど、持続可能な社会づくりに即戦力として貢献できる人材育成が行われています。