更新日:2022年3月2日

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鶴岡市三瀬地区のローカルSDGs(鶴岡市三瀬地区自治会)

三瀬

 鶴岡市三瀬地区自治会では、いち早く政府の「地域循環共生圏」の提唱に呼応し、SDGsの考え方を活用した地域づくりに取り組んでいます。
当地域では、昭和30年代までは林業が盛んに行われていましたが、燃料の変化や輸入材に押され徐々に衰退。森林は荒廃し、近年は人口減少が加速度的に進み、地域の活力が失われつつありました。
 こうした状況を打開しようと、林業者と地域の有志が協力し、薪の生産と販売を始めました。薪によりエネルギーを自給自足することで森林環境整備と地域内の経済循環を作る取組みです。はじめは数名から始めた取組みですが、地域活力の低下を課題としていた自治会も巻き込み活動が広がりました。「地域材の活用の場が増え、雇用が生まれ、地域の人口増加、活性化につながっている」という将来像を掲げ、「木質バイオマスの活用」に地域全体が取り組むことで、地域が抱える多様な課題解決につながると考えました。
 具体的な取組みの一つに、地域の保育園への薪ボイラー、薪ストーブの導入があります。燃料には地域材が用いられ、これまで石油代として域外に流出していたコストが、域内で循環するようになっています。材は森林整備により出てくるものなので、山もきれいになります。園児も実際に山に入り木が燃料になることを学び、薪作りを体験します。また、園庭の遊具にも地域材を使用しています。園児は遊具で遊びながら木の手触りや温もりを身体で感じることができ、伸び伸び遊ぶことで健康増進にもつながっています。このような環境教育の取組みにより、保護者や職員はじめ地域全体において、森林への関心が高まっています。

三瀬遊具

 このほかにも、コミュニティセンターへの薪ボイラーの導入、山の恵みを楽しむイベントの開催、子どもからお年寄りまでを対象にした森の散策会、木質チップを使った避難道整備など、山に関連する事業を多層的に行うことで、一つ一つの取組みが様々に波及し、環境課題を中心に複数の課題を連鎖的に解決することにつながっています。
 自治会長の加藤さんは、「近年は若い世代の移住者も増えてきている。山を活用しながら住みよい地域を目指したい。」と、SDGsを取り入れた地域づくりに手ごたえを感じています。

三瀬地区

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