更新日:2023年12月28日
ここから本文です。
『生まれ変わる遺産』は、修復工事を施されて別の用途で利用されている施設である。それぞれの構造物が文化財的な価値をもち、それに加えて資料館やギャラリーなどに利用されて新しい存在価値を作り出している。特に「真室川森林鉄道」のように、森林鉄道が動態保存されているケースは大変珍しい。
山形県旧県庁舎及び県議会議事堂(山形市)
昭和61年から10年の歳月をかけて保存修復工事が行われた。現在は、山形県郷土館(文翔館)とてして、山形県の歴史や文化に関する展示が行われている。また、議場ホールではコンサートなどが催される。ガイドボランティアが、建物や展示内容を丁寧に案内してくれる。
旧済生館本館(山形市)
昭和42年に移築復原工事が始まり、昭和46年に霞城公園内に山形市郷土館として開館した。医学資料や郷土資料などが展示されている。レンガ色の建物が公園の緑に映えて美しい。建物も独特の構造をしており、展示品とともに当時の雰囲気を楽しめる。
山形市立第一小学校旧校舎
(山形市)平成22年に修理工事が完了し、「山形まなび館」としてオープンした。イベントスペースや交流ルームでは様々なイベントが開催され、市民の交流の拠点として親しまれている。また、山形の観光案内室では、山形の魅力的な場所、イベント、物産なども紹介している。
真室川森林鉄道(真室川町)
昭和56年の「真室川町立歴史民族資料館」開館に伴い、同敷地内で動態保存された。現在は、まむろ川温泉『梅里苑』体験の森で、1周約1kmを1人/回100円で体験乗車できる。所要時間は10分程度。運行期間は、5月1日から10月31日の土曜日、日曜日、祝祭日となっている。
旧鶴岡警察署庁舎(鶴岡市)
昭和32年、鶴岡警察署移転に伴い馬場町から致道博物館へ移築された。現在は、財団法人致道博物館の事務所棟として使用されている。外観は見学できるが、建物の内部の見学はできない。明治初期に建設された建物の堂々とした姿は、威容を感じさせる。
旧山形師範学校本館(山形市)
昭和55年に、山形県立博物館の分館「教育資料館」として開館した。江戸時代から現代に至るまでの、山形県の教育に関する歩みを知ることができる展示になっている。山形市内の静かな環境の中で、明治の洋館のたたずまいを楽しむことができる。
旧東村山郡役所(天童市)
昭和60年、解体復元工事が完成し「旧東村山郡役所資料館」として使用されている。1階は幕末の天童織田藩の時代から、明治、大正、昭和に至る東村山の歴史と文化の展示資料館となっている。また、天童市の出身、明治の写真家「菊池新学」の資料も展示している。
松ヶ岡開墾場(鶴岡市)
開墾場には大蚕室5棟、本陣、新徴屋敷などが残されており、第一蚕室が開墾記念館として利用されている。他の蚕室も、侍カフェ、くらふと松ヶ岡、庄内農具館などに利用されている。また、庄内映画村資料館も併設され、庄内で撮影された映画の道具や衣装などが展示されている。
旧西田川郡役所(鶴岡市)
昭和47年、馬場町から致道博物館へ移築され、考古学資料と明治文化の資料、戊辰戦争と西郷隆盛の資料などが展示されている。致道博物館には、明治の擬洋風建築の他にも、庄内の歴史と文化を語る貴重な文化財が数多く展示してあり、見所も多い。
旧西村山郡役所及び郡会議事堂(寒河江市)
昭和56年には旧西村山郡役所が、昭和58年には郡会議事堂が現在の長岡山公園に移設復元され、地域の歴史や文化を伝える「寒河江市郷土館」として利用されている。春には長岡山公園の「つつじ」や「桜」を見ながら、明治の文明開化の頃を感じることができる。
旧米沢高等工業学校本館(米沢市)
山形大学工学部の構内に保存されており、主に米沢高等工業学校の歴史などの資料が展示してある。大学正門脇の警務員室で記帳すれば見学ができる。また、ルネッサンス様式で胴屋と翼屋を持つ左右対称の建物は、現在の米沢駅のモチーフにもなっており、比べてみるのも面白い。
お問い合わせ