更新日:2023年10月4日
ここから本文です。
A1 |
結核は結核菌という細菌によって起こります。 |
---|---|
A2 |
いいえ。 結核は現在でも1年間に約1万人の患者が発生する日本の三大感染症です。 さらに、多剤耐性結核菌や続発する結核集団感染、院内感染など、緊急に対応を図らなければならない課題が大きくなっています。 しかし、国民や医療機関、行政でも結核に対する関心は低下しています。 |
A3 |
痰の中に結核菌がでるようになった重症の結核患者が咳やくしゃみをすると、しぶきが飛び散ります。周囲の人がこのしぶきの中の結核菌を吸い込むことによって、結核に感染します。 逆にいえば、結核に感染しただけの人や、発病しても軽症のうちは、周囲の人へ結核を感染させることはありません。 |
A4 |
いいえ。 結核に感染しても、発病するのは10人に1~2人くらいです。残りの8~9人は、免疫の力で結核菌を抑え込み、結核菌は一生眠った状況で過ぎます。 現在の日本人では、高齢者を中心に約4人に1人は体の中に眠った結核菌を持っていると考えられています。 |
A5 |
いいえ。 結核菌はゆっくり増えますので、結核に感染してから発病するまでかなりの時間がかかります。 成人では肺結核になることが多いのですが、感染者のうち約3%の人は感染後長期間経過してから発病すると考えられています。 |
A6 |
結核は感染しないと、発病しません。したがって、家族や親しい人に結核患者が出た場合には、同じように感染した可能性があり、注意が必要です。 また、結核に感染してずっと眠っていた結核菌が、何十年も経って体の抵抗力が衰えた頃に、再び目覚めることもあります。高齢者の多くは、このような形で発病しています。 特に、糖尿病の人、副腎皮質ホルモンを服用している人、結核の治療歴はないのに胸に治った影のある人は注意が必要です。 |
A7 |
結核は肺結核で発病することが多いのですが、肺結核の症状は、カゼとよく似ています。咳、痰、血痰、発熱、胸痛、だるさが2週間以上続くようなら、注意が必要です。 結核の患者さんに聞くと、最初はしつこい、カゼだなあと思っていて、病院にかかったら結核と診断された方が多いようです。 また、胸膜炎の場合には、胸痛が自覚されることが多いようです。 |
A8 |
血液検査は、結核に感染しているかどうかを調べる検査です。発病前に結核に感染しているかどうかを調べることができます。 ツベルクリン反応検査は、結核に感染しているかどうかを調べる検査です。結核に感染した場合だけでなく、BCG接種により陽性となることがあります。 胸部レントゲン検査、喀痰検査は、結核を発病したかどうかを調べる検査です。 |
A9 |
ほとんどの結核は胸に現れます。また、結核は比較的ゆっくり進行しますので、発病初期は症状が無くても、胸部のレントゲン写真をとれば、結核の発病を早期に発見することができます。 |
A10 |
レントゲンの被曝はできるだけ少ないほうが良いのですが、胸部レントゲン検査1回あたりの被曝量は、1年間に自然から放射線を受ける量の20分の1程度に過ぎず、被曝量は非常に小さいと考えられています。 ただ、結核はゆっくり発育する菌とはいえ、感染症ですので、1~2ヶ月間経つと新たに影が出ることもあります。 ですから、胸部レントゲン検診は、定期的に受けて下さい。 |
A11 |
BCGは乳幼児の結核の発病や重症化を予防するためのワクチンです。効果は10~15年続くといわれています。標準的接種期間は生後5か月~8か月です。 また、家族などに結核患者がいて、血液検査やツベルクリン反応で「陽性」となった時は、予防内服を行うことがあります。 結核を早期発見することは、本人の病状が重くなるのを防ぐためにも、周囲の人へ結核を感染させないためにも大切です。 年に1回は健診を受けること、咳や発熱、痰などの症状が2週間以上続く場合は医療機関へ受診することを心がけましょう。 |
A12 |
以前は結核の治療は2~3年かかっていました。 しかし、今は良い薬ができましたので、治療期間は通常6~9ヶ月と短くなりました。また、重い結核の患者でも、結核の薬を飲みはじめて2週間もすれば、周囲へ結核を感染させる可能性はほとんどなくなります。 |
A13 |
結核に感染した直後から、1種類の抗結核薬を6ヶ月間飲めば、その後結核を発病する可能性を、低く抑え込むことができます。 これを予防内服といいます。 症状がなく6ヶ月薬を飲むことは大変だと思いますが、きちんと6ヶ月服薬すれば、確実に予防効果がある方法ですし、逆に3ヶ月程度で服薬を止めてしまうと、あまり発病予防に役立たないこともわかっています。 |
A14 |
予防内服に使う結核薬は、副作用が最も少ない結核治療薬です。 さらに、年齢が若ければ、副作用の出る割合は非常に少ないことが分かっています。 副作用の症状としては、食欲不振、悪心、嘔吐、全身倦怠感などが3日以上続いたり、尿の色が濃くなったり、黄疸、発疹、手足の感覚異常、3日以上の発熱、右腹部圧痛が目安となります。 このような症状が出た場合には、主治医の先生に相談すると良いでしょう。 |
A15 |
Q15 結核に感染した場合、勉強やスポーツで注意することはありませんか? 結核に感染した直後には予防内薬が行われます。 予防内薬をした場合、その後発病するかどうかに最も影響するのは、きちんと服薬するかどうかです。 したがって、予防内薬をしている間でも、きちんと薬さえ服用していれば、勉強やスポーツを特に制限する必要はないと考えられています。 |
A16 |
村山保健所 保健企画課 感染症予防担当 |
お問い合わせ