更新日:2023年12月12日
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梅毒に感染した妊婦から胎児にうつる「先天梅毒」の今年の報告数が、過去最多を更新しています!
また、患者全体の報告数は、2022年には初めて1万人を超えました。2023年は、9月24日時点で2022年の感染者数(10743人)を既に上回っており、急速に感染拡大しています。
年齢別では、男性20代~50代、女性は20代が突出して増えています!
2021年は、第1~52週2022年10月8日時点集計値(暫定値)、2022年は第1~44週2022年11月9日時点集計値の報告を
対象。
下記リンクより、リーフレットもご覧ください。
梅毒は、性的な接触(他人の粘膜や皮膚と直接接触すること)などによってうつる感染症です。原因は梅毒トレポネーマという病原菌で、病名は症状にみられる赤い発疹が楊梅(ヤマモモ)に似ていることに由来します。感染すると全身に様々な症状が出ます。
早期の薬物治療で完治が可能です。検査や治療が遅れたり、治療せずに放置したりすると、長期間の経過で脳や心臓に重大な合併症を起こすことがあります。時に無症状になりながら進行するため、治ったことを確認しないで途中で治療をやめてしまわないようにすることが重要です。また完治しても、感染を繰り返すことがあり、再感染の予防が必要です。
感染したあと、経過した期間によって、症状が異なります。
初期には、感染がおきた部位(主に陰部、口唇部、口腔内、肛門等)にしこりができることがあります。また、股の付け根の部分(鼠径部)のリンパ節が腫れることもあります。痛みがないことも多く、治療をしなくても症状は自然に軽快します。
しかし、体内から病原体がいなくなったわけではなく、他の人にうつす可能性もあります。感染した可能性がある場合には、この時期に梅毒の検査が勧められます。
治療をしないで3か月以上を経過すると、病原体が血液によって全身に運ばれ、手のひら、足の裏、体全体にうっすらと赤い発疹が出ることがあります。小さなバラの花に似ていることから「バラ疹(ばらしん)」とよばれています。
発疹は治療をしなくても数週間以内に消える場合があり、また、再発を繰り返すこともあります。しかし、抗菌薬で治療しない限り、病原菌である梅毒トレポネーマは体内に残っており、梅毒が治ったわけではありません。アレルギー、風しん、麻しん等に間違えられることもあります。この時期に適切な治療を受けられなかった場合、数年後に複数の臓器の障害につながることがあります。
感染後、数年を経過すると、皮膚や筋肉、骨などにゴムのような腫瘍(ゴム腫)が発生することがあります。また、心臓、血管、脳などの複数の臓器に病変が生じ、場合によっては死亡に至ることもあります。
現在では、比較的早期から治療を開始する例が多く、抗菌薬が有効であることなどから、晩期顕性梅毒に進行することはほとんどありません。
また、妊娠している人が梅毒に感染すると、胎盤を通して胎児に感染し、死産、早産、新生児死亡、奇形が起こることがあります(先天梅毒)。
主な感染経路は、感染部位と粘膜や皮膚の直接の接触です。具体的には、性器と性器、性器と肛門(アナルセックス)、性器と口の接触(オーラルセックス)等が原因となります。
梅毒に感染したかどうかは血液検査(抗体検査)で判断します。どの医療機関でも検査は可能です。感染初期は、感染していても陽性反応が出ないことがあります。感染機会があってから、十分な期間をおいて検査を受けましょう。梅毒に感染していたとわかった場合は、周囲で感染の可能性がある方(パートナー等)にも検査を受けてもらい、必要に応じて、一緒に治療を行うことが重要です。
村山保健所では、匿名・無料で検査をおこなっています。検査結果を正確に判断するために、感染機会から6週間以降に検査を受けましょう。結果が判明するまで1週間かかりますので、後日もう一度来所してください。
一般的には、外来で処方された抗菌薬を内服することで治療します。内服期間等は病期により異なり、医師が判断します。病状によっては入院が必要なこともあります。医師が治療を終了とするまでは、処方された薬は確実に飲みましょう。性交渉等の感染拡大につながる行為は、医師が安全と判断するまではひかえましょう。また、周囲で感染の可能性がある方(パートナー等)と一緒に検査を行い、必要に応じて、一緒に治療を行うことが重要です。
感染部位と粘膜や皮膚が直接接触をしないように、コンドームを使用することが勧められます。ただし、コンドームが覆わない部分の皮膚などでも感染がおこる可能性があるため、コンドームを使用しても100%予防できるわけではありません。皮膚や粘膜に異常があった場合は、性的な接触を控え、早めに医療機関を受診しましょう。感染した人の血液中には、一定の抗体がありますが、再感染を予防できるわけではありません。このため、適切な予防策(コンドームの使用、パートナーの治療等)が取られていなければ、再び梅毒に感染する可能性があります。
村山保健所では、「無料・匿名」で梅毒の検査を実施しています。
また、同時にHIV、性器クラミジア感染症、B型・C型肝炎ウイルス検査も受けることができます。
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