更新日:2024年3月22日
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公共事業用地として譲渡した際の所得については、「譲渡所得等(所得税・住民税)の優遇制度」がありますが、受給されている公的な給付金やサービス等の種類によっては、翌年度の負担額が増加する場合があります。
以下に譲渡所得等の優遇制度や生じると考えられる影響等について記載しておりますが、下記項目はあくまで一般的な例ですので、下記に記載のない公的な給付金やサービス等を受けられている場合には、それらを担当する機関へお問い合わせください。
公共事業用地として土地等を譲渡した場合は、次の①、②の特例のうち、どちらか一方を選んで受けることができます。
ただし、課税上の特例を受けるためには条件があるほか、補償金の全部が対象となるものではなく、補償金の項目や内容によっては課税の対象となるものがあります。
また、特例を受けるためには税務署へ確定申告を行う必要があります。ご契約いただいた後にお送りする「公共事業用資産の買取り等の証明書」等を添付のうえ、確定申告を行ってください。
①「収用交換等により資産を譲渡した場合の5,000万円の特別控除の特例」
以下の3つの要件すべてに当てはまることが必要です。
ア.固定資産であること。(棚卸資産は除く)
イ.買取の申出があった日から6か月以内に土地等を譲渡したこと。
※ 同一事業につき一回限りの適用です。
※ 同一年(1月から12月までの1年間)に他の公共事業等で譲渡した場合であっても、合算して5,000万円
控除となります。
ウ.下記②「収容交換等により代替資産等を取得した場合の特例」の適用を受けていないこと。
②「収用交換等により代替資産等を取得した場合の特例」
以下の3つの要件すべてに当てはまることが必要です。
ア.固定資産であること。(棚卸資産は除く)
イ.原則として、譲渡した資産と同じ種類の資産を買い換えること。
ウ.原則として、譲渡した日から2年以内に代わりの資産を取得すること。
③「特定住宅地造成事業等のために土地等を譲渡した場合の1,500万円の特別控除の特例」
こちらは、公共事業用地を提供いただいた方へ代替地を提供いただいた方への特例です。
事業用地提供者と代替地提供者と県の三者で一括契約した場合に限り、代替地提供者には1,500万円(ただし、事
業用地の土地代金が1,500万円未満の場合はその額)までの特別控除が受けられます。(棚卸資産は除く)
所得割については、譲渡所得等の課税の特別控除の適用があります。
ただし、均等割については、特別控除前の所得で判定されるため、翌年に課税される場合があります。
また、課税により、これまで所得税非課税によって免除されていたサービスに負担額が発生する場合があります。
控除対象配偶者や扶養親族が土地等を譲渡した場合、特別控除前の所得が一定の金額を超えると、その年の配偶者控除や扶養控除が受けられなくなる場合があります。
また、扶養者が土地等を譲渡した場合、特別控除前の所得が一定の金額を超えると、その年の配偶者特別控除や寡婦(寡夫)控除、住宅取得等特別控除が受けられなくなる場合があります。
毎年1月1日の土地・建物等の所有者に課税されることになりますので、譲渡した年の固定資産税・都市計画税については全額納付をお願いいたします。
また、建物登記がなされている場合、取り壊した際に滅失登記がなされていないと建物が引き続き建っているものとして課税される場合がありますので、建物を取り壊した際には滅失登記をお願いいたします。
土地を分筆して譲渡する際、登記されている面積(公簿面積)と測量した面積(実測面積)に違いがある場合には地積更正(公簿面積を実測面積に修正)を行うことがあり、残地の面積が従前の公簿面積よりも大きくなることがあります。
その場合、翌年以降に固定資産税が増額となることがあります。
公共事業のため、土地や家屋等を譲渡等した日から2年以内(もしくは譲渡等した日の前1年以内)に代わりとなる不動産を取得した場合、不動産取得税が軽減されます。(軽減を受けるためには申告が必要です)
生前一括贈与に係る贈与税(相続税)及び不動産取得税の納税猶予を受けている農地を譲渡した場合、譲渡面積分の本税と利子税を納税いただくこととなります。
なお、利子税については、県との契約締結後2か月以内に管轄税務署に手続きのうえ納税した場合、免除されます。(令和8年3月31日まで譲渡した場合)
※ 免除されるのはあくまで利子税のみで、本税は納税する必要があります。
所得割については、譲渡所得等の課税の特別控除の適用があります。
ただし、均等割・平等割については、特別控除前の所得で判定されるため、翌年に課税される場合があります。
また、特別控除の範囲内であっても、保険料の軽減措置を受けられている方は翌年の納付額が増える場合があります。
介護保険料の算定にあたり、譲渡所得等の課税の特別控除の適用があります。
ただし、住民税が非課税の場合、負担段階が変わり翌年の保険料が増額となる場合があります。
土地等を譲渡した方が介護サービスを利用している場合、自己負担割合の判定にあたり、譲渡所得等の課税の特別控除の適用があります。
ただし、これまで住民税が非課税であった場合、負担段階が変わり翌年の保険料が増額となる場合があります。
土地等を譲渡した方が高齢者及び後期高齢者で医療費の自己負担割合が2割もしくは1割である場合、譲渡所得等の課税の特別控除の適用がありますが、所得区分が変わり、翌年の負担割合が増える場合があります。
支給停止にはなりません。
ただし、掛金なしで受給している年金は、翌年に限り支給額が一部または全部停止となる場合があります。
受給者がいる世帯の中のどなたかが土地等を譲渡したことにより、所得が支給制限の限度額を超えると、翌年の支給が制限される場合があります。
特定処分対象農地を公共事業用地として譲渡した場合は支給停止になりません。
契約締結後、土地収用該当事業用地買収等証明書を発行しますので、農業委員会へ所定の手続きを行ってください。
土地等の譲渡により、受給者等の所得が各種手当・助成金等の支給制限限度額を超えた場合、支給が制限もしくは停止される場合があります。
受給に関する事項については各種手当・助成金等を担当する機関へお尋ねください。
土地改良事業地区内の農地については、改良区の規約等により譲渡面積分の決済金を納める必要がありますので、土地改良区へ所定の手続きを行ってください。
税金、社会保険、年金、各種手当・助成金等については個人により内容が異なります。
また、制度改正により取扱いが変更となっている場合もありますので、詳しくはそれぞれの担当機関へお問い合わせください。
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