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更新日:2023年7月28日
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このページでは、山形県庄内総合支庁環境課で行った、瓦リサイクル製品を使った独自取り組みの内容をご紹介します。
庄内総合支庁裏口に、瓦リサイクル製品(山形県リサイクル認定製品)を使ったモデル庭園を作成しました。(令和元年10月造園)
このモデル庭園は、広く瓦リサイクル製品をアピールするため造園しました。日陰になりがちな区画が、瓦チップのオレンジ色で温かい雰囲気になりました!庄内総合支庁にお立ち寄りの際は、是非足を運んでいただけると嬉しいです。
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庄内総合支庁玄関前に、瓦リサイクル製品(瓦リサイクル砂と樹脂を混ぜたもの)の吹付舗装を行いました。(平成29年8月5日施工)瓦リサイクル製品吹付舗装の特長は、以下の4つです。
1.雨に濡れても滑りにくい。
2.視認性(駐車禁止区域としての見分けやすさ)が向上する。
3.夏の照返しを和らげる。
4.瓦の色合いを活かし、温かみがある。
平成30年7月26日に、瓦リサイクル舗装とアスファルト舗装の表面温度を比較したところ、瓦リサイクル舗装の表面温度の方が最大で3.0℃低いという結果が出ました。
時間 | 9時00分 | 11時00分 | 13時00分 | 15時00分 | 17時00分 | 19時00分 |
---|---|---|---|---|---|---|
気温 | 29.3℃ | 31.9℃ | 33.2℃ | 33.1℃ | 30.2℃ | 27.9℃ |
瓦リサイクル舗装 | 45.5℃ | 50.5℃ | 59.0℃ | 55.5℃ | 48.0℃ | 38.0℃ |
アスファルト舗装 | 46.0℃ | 53.5℃ | 60.5℃ | 56.0℃ | 50.5℃ | 40.0℃ |
温度差 | -0.5℃ | -3.0℃ | -1.5℃ | -0.5℃ | -2.5℃ | -2.0℃ |
((株)チノー製IR-TE2で測定)
山形県水田農業試験場に試験施工した、瓦チップを疎水材として使用した水田暗渠(瓦リサイクル事例報告会で工事見学会を実施)について、暗渠排水中の重金属などの濃度を測定しました。
採水日時:令和元年9月11日10時25分(降雨後の暗渠排水が出ているタイミングを狙って採水を実施)
天候:小雨
気温:22.8℃、水温:23.4℃、pH:5.91、電気伝導率:250μS/cm
測定項目 | 暗渠排水中の濃度 |
公共用水域の水質汚濁に係る 環境基準 |
---|---|---|
[mg/L] | ||
カドミウム | 0.0003未満 | 0.003 |
鉛 | 0.005未満 | 0.01 |
六価クロム | 0.02未満 | 0.05 |
砒素 | 0.001未満 | 0.01 |
総水銀 | 0.0005未満 | 0.005 |
セレン | 0.001未満 | 0.01 |
ふっ素 | 0.02未満 | 0.8 |
ほう素 | 0.08 | 1 |
計量の方法:昭和46年環境庁告示第59号「水質汚濁に係る環境基準について」
測定したすべての項目で、公共用水域の水質汚濁に係る環境基準を達成していました。
庄内総合支庁の中庭に瓦リサイクル製品(瓦破砕物)の特長を検証するための花壇を作り、以下の3つの検証を行いました。
平成30年8月13日午前9時頃に、瓦破砕物と砂利に打ち水をして、表面温度を比較しました。
瓦破砕物の表面温度の方が最大で8.9℃低いという結果が出ました。
時間 | 9時30分 | 10時30分 | 11時30分 | 12時30分 | 13時30分 | 14時30分 | 15時30分 | 16時30分 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
気温 | 26.9℃ | 28.0℃ | 30.0℃ | 30.5℃ | 30.1℃ | 30.1℃ | 29.1℃ | 28.5℃ |
砂利 | 34.6℃ | 42.3℃ | 49.7℃ | 50.3℃ | 54.3℃ | 51.1℃ | 46.3℃ | 41.7℃ |
瓦破砕物(粒径:5mm-10mm) |
32.6℃ | 39.2℃ | 46.3℃ | 46.2℃ | 46.7℃ | 42.2℃ | 43.0℃ | 36.3℃ |
砂利との温度差 | -2.0℃ | -3.1℃ | -3.4℃ | -4.1℃ | -7.6℃ | -8.9℃ | -3.3℃ | -5.4℃ |
瓦破砕物(粒径:10mm-25mm) |
30.3℃ | 35.9℃ | 44.8℃ | 46.1℃ | 50.1℃ | 46.5℃ | 45.8℃ | 39.2℃ |
砂利との温度差 | -4.3℃ | -6.4℃ | -4.9℃ | -4.2℃ | -4.2℃ | -4.6℃ | -0.5℃ | -2.5℃ |
((株)チノー製TR-TE2で測定)
地面に敷き詰めた瓦破砕物に打ち水をすることにより、瓦破砕物の表面温度の上昇を抑えることができることから真夏の照り返しを防ぎ、体感温度を下げることができる可能性があります。
瓦破砕物(粒径を5mm~10mmまたは10mm~25mmに調整したもの)と普通の砂利を、厚さ2.5cm、5cm、10cmの厚さで、約1m四方で敷き詰めた区画を整備しました。
(検証開始:平成30年7月10日、写真撮影:平成30年8月10日及び平成30年11月13日)
検証開始から1か月後に防草効果を比較したところ、瓦破砕物または砂利を厚さ10cmに敷き詰めた区画では雑草が生えないという結果でした。
なお、検証開始から4か月後に防草効果を比較したところ、砂利を厚さ10cmに敷き詰めた区画では雑草が生えず、瓦破砕物を厚さ10cmに敷き詰めた区画では雑草が少し生えるという結果でした。
しかしながら、瓦破砕物(粒径:5mm~10mmに調整したもの)を厚さ10cmに敷き詰めた区画に生えた雑草は、力を入れずに抜くことができました。
砂利を厚さ10cmに敷き詰めた区画では、雑草が生えませんでした。また、瓦破砕物を厚さ10cmに敷き詰めた区画では、雑草が生えましたが、粒径5-10mmの区画は雑草が生えづらいという結果でした。
瓦破砕物を厚さ約10cmに敷き詰めると、防草効果を見込むことができ、粒径が小さい方が防草効果が高いと考えられます。
瓦砂と、通常の砂を混合した区画でトウモロコシを栽培し、生育に与える影響を調査しました。
試験区画
瓦100% 砂0% |
瓦40% 砂60% |
瓦80% 砂20% |
瓦20% 砂80% |
瓦60% 砂40% |
瓦0% 砂100% |
砂[%] | 瓦砂[%] | No. | 高さ[cm] | 高さ(平均)[cm] |
---|---|---|---|---|
100 | 0 | 1 | 153 | 146 |
2 | 143 | |||
3 | 143 | |||
80 | 20 | 1 | 113 | 148 |
2 | 160 | |||
3 | 172 | |||
60 | 40 | 1 | 155 |
155 (高さ最大) |
2 | 151 | |||
3 | 158 | |||
40 | 60 | 1 | 154 | 144 |
2 | 141 | |||
3 | 136 | |||
20 | 80 | 1 | 148 | 141 |
2 | 130 | |||
3 | 145 | |||
0 | 100 | 1 | 108 | 109 |
2 | 108 | |||
3 | 110 |
砂[%] | 瓦砂[%] | No. | 実の重さ[g] | ||
---|---|---|---|---|---|
1個目 | 2個目 | 1個目の重さ平均 | |||
100 | 0 | 1 | 262 | 50 | 231 |
2 | 195 | 45 | |||
3 | 235 | 42 | |||
80 | 20 | 1 | 230 | 42 | 302 |
2 | 350 | 146 | |||
3 | 327 | 230 | |||
60 | 40 | 1 | 213 | - | 211 |
2 | 220 | - | |||
3 | 200 | - | |||
40 | 60 | 1 | 235 | 35 | 238 |
2 | 295 | 50 | |||
3 | 185 | 50 | |||
20 | 80 | 1 | 350 | 175 |
314 (実の重さ最大) |
2 | 245 | - | |||
3 | 346 | 70 | |||
0 | 100 | 1 | 50 | - | 55 |
2 | 65 | - | |||
3 | 50 | - |
もっとも実よりの良さそうだった瓦20%及び瓦80%の実を収穫して、試食しました。皮付きの実の重さは、どちらも350gでした。
瓦20%は皮が固めで甘みがすっきりしていて、瓦80%は皮が柔らかめで甘みがありました。
他の区画も実を収穫して、試食を行いました。なお、瓦20%と瓦80%は、大きな実をプレ収穫祭で完食したので、2個目の実を試食しました。
瓦破砕物の骨材としての利用を想定し、RC(再生砕石)と瓦破砕物の混合材の物理・力学特性を調査しました。
試験方法 | 試験結果 | 基準値 | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
試験名称 | 規格番号 | 試験項目 | 試験値 | 単位 | ||
骨材のふるい分け試験 | JIS A 1102 | ふるい分け | 53mm | 100.0 | % | 100 |
37.5mm | 100.0 | % | 95~100 | |||
19mm | 66.5 | % | 50~80 | |||
4.75mm | 23.5 | % | 15~40 | |||
2.36mm | 15.5 | % | 5~25 | |||
0.425mm | 8.1 | % | - | |||
0.075mm | 3.7 | % | - | |||
骨材の微粒粉量試験 | JIS A 1103 | 微粒分量 | 3.56 | % | - | |
骨材の単位容積質量及び実積率試験方法 | JIS A 1104 | 単位容積質量 | 1.372 | kg/L | - | |
細骨材の密度及び吸水率試験 | JIS A 1109 | 表乾密度 | 2.315 | g/c立方メートル | - | |
吸水率 | 3.675 | % | - | |||
粗骨材の密度及び吸水率試験 | JIS A 1110 | 表乾密度 | 2.291 | g/c立方メートル | - | |
吸水率 | 6.278 | % | - | |||
細骨材の密度及び吸水率試験, 粗骨材の密度及び吸水率試験 |
JIS A 1109, JIS A 1110 |
表乾密度 | 2.303※ | g/c立方メートル | - | |
吸水率 | 4.977※ | % | - | |||
ロサンゼルス試験機による粗骨材のすりへり試験方法 | JIS A 1121 | すりへり減量 | 35.7 | % | 50以下 | |
土の液性限界・塑性限界試験方法 | JIS A 1205 | 塑性指数 | NP | PI6以下 | ||
突固めによる土の締固め試験方法 | JIS A 1210 | 最大乾燥密度 | 1.693 | g/c立方メートル | - | |
最適含水比 | 10.2 | % | - | |||
CBR試験方法 | JIS A 1211 | 修正CBR(95%) | 81.2 | % | 40以上 | |
設計CBR | 80.5 | % | - | |||
岩の破砕率試験 | JHS 109 | 破砕率 | 7.6 | % | - |
細骨材と粗骨材の平均値
及び「山形県再生骨材使用基準(PDFファイル_209KB)」(外部サイトへリンク)の物理的・力学的特性基準(下層路盤材)に適合しています。
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