更新日:2024年8月9日
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ALPS処理水についてのQAを、経済産業省のホームページ(https://www.meti.go.jp/earthquake/nuclear/hairo_osensui/shirou_alps.html)(外部サイトへリンク)の内容をもとに記載しています。経済産業省のページには、分かり易い動画も掲載されておりますので、ぜひご覧ください。
A1 東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、ALPS(Advanced Liquid Processing Systemの略で、様々な放射性物質を取り除いて浄化する「多核種除去設備」のこと。)により、安全基準を満たすまで浄化した水のことです。
トリチウムについても安全基準を十分に満たすよう、処分する前に海水で大幅に薄めます。
A2 薄めた後のトリチウムの濃度は、国の定めた安全基準※の40分の1(WHO飲料水基準の約7分の1)未満になります。
安全基準を満たした上で、放出する総量も管理して処分するので、環境や人体への影響は考えられません。
(ICRPとは:放射線障害から人を守る「放射線防護」について、1928年以来、専門家の立場から勧告をおこなっている国際組織です。その勧告は、世界各国の法令や規制の基礎とされています。)
A3 トリチウムは水素の仲間(三重水素)で、日々自然に発生しているものです。
そのため、水道水や雨水、私たちの体の中にも含まれており、「自然界にも広く存在する放射性物質」です。
トリチウムが出す放射線のエネルギーは非常に弱く、紙1枚でさえぎることができます。
トリチウムは、世界中の多くの原子力施設から海に放出されていますが、施設周辺からは、トリチウムが原因とされる影響は見つかっていません。
A4 トリチウムが出す放射線のエネルギーは非常に弱く、紙1枚でさえぎることができます。そのため、体の外にある放射性物質から人が影響を受ける「外部被ばく」は考えられません。
トリチウムを含んだ水を体の中に取り込んだ場合も、水と一緒に速やかに体外に排出(10日程度で半分が排出)され、特定の臓器に蓄積することもありません(例えば、放射性セシウムは筋肉中に取り込まれるため、70日程度で半分が排出※)。そのため、体の中にある放射性物質から影響を受ける「内部被ばく」も他の放射性物質と比較し小さい(例えば、トリチウム水の影響はセシウム137の約700分の1)です。
A5 東京電力福島第一原子力発電所の敷地内でALPS処理水を貯蔵している巨大なタンクは増え続け、タンクの数はすでに1,000を超えています。
これからより本格化する廃炉作業を安全に進めるためには、新しい施設(原子炉内から取り出した燃料デブリを一時保管するための施設や、使用済燃料を保管するための施設など)を建設する場所が必要となり、ALPS処理水を処分し、タンクを減らす必要があります。
また、「災害発生時の漏えいリスク」や「大量のタンクの存在自体が風評の原因となること」を心配するご意見もいただいています。
そのため、ALPS処理水を処分し、数多くのタンクを減らすことは、廃炉と復興に向けて必要な作業となっています。
A6 ALPS処理水とは、東京電力福島第一原子力発電所の建屋内にある放射性物質を含む水について、トリチウム以外の放射性物質を、安全基準を満たすまで浄化した水のことです。
トリチウムについても安全基準を十分に満たすよう、処分する前に海水で大幅に薄めます。
このため、環境や人体への影響は考えられません。
また、海洋放出の前後で、海の放射性物質濃度に大きな変化が発生していないかを、第三者の目を入れた上でしっかりと確認し、安全確保に万全を期します。
国連の機関であり、原子力について高い専門性を持つIAEAも、ALPS処理水の海洋放出は「国際安全基準に合致」し、「人及び環境に対する放射線影響は無視できるほどである」と、包括報告書で結論付けています。IAEAによるチェックは放出前だけでなく、放出後まで長期にわたって実施されます。
A7 各省庁等が行う海水等のモニタリング結果については、環境省の専用サイト(https://shorisui-monitoring.env.go.jp/)(外部サイトへリンク)でまとめて閲覧できます。
また、東京電力が実施するモニタリング結果についても、東京電力が作成したサイト(https://www.tepco.co.jp/decommission/progress/watertreatment/monitoring/)(外部サイトへリンク)で公開しています。
A8 建屋内の水には、一般の原子力発電所からの排水には通常含まれない燃料由来の放射性物質も含まれますが、それらはALPSなどの浄化設備によって安全基準を満たすまで浄化します。
国際安全基準では、放射性物質の種類によらず、含まれるすべての放射性物質の影響の合計で安全性を評価することとされています。この考え方は、事故炉か通常炉かを問わず、同様に適用されます。
詳細は、資源エネルギー庁のサイト:放射性物質の規制基準はどうなっているの?(https://www.enecho.meti.go.jp/about/special/johoteikyo/osensuitaisaku04.html)(外部サイトへリンク)をご覧ください。
また、環境省では、海外の一部の原子力発電所・再処理施設と比較した資料を公開しています。(「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)第6章事故の状況」(https://www.env.go.jp/chemi/rhm/r4kisoshiryo/r4kiso-06-03-09.html(外部サイトへリンク)
(上図の出典:環境省「放射線による健康影響等に関する統一的な基礎資料(令和4年度版)第6章事故の状況」)
(関連資料:経済産業省「ALPS処理水資料集」P.4(外部サイトへリンク))
A9 日頃から近海の魚を多く食べる場合を想定するなど、国際的な方法に基づいて海洋放出による人体への影響を評価したところ、日常受けている放射線(自然放射線)からの影響と比べ約100万分の1から7万分の1と、影響が極めて小さいことが確認されており、近海でとれる魚に安全上の問題はありません。
さらに、海洋放出の前後で、定期的にモニタリングを実施し、海や魚類の放射性物質濃度に大きな変化が発生していないか確認します。
これまでどおり、安心しておいしい産品をお楽しみください。
水産庁が実施した水産物の測定結果は、水産庁のサイト(https://www.jfa.maff.go.jp/j/koho/saigai/)(外部サイトへリンク)をご覧ください。
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