ホーム > 県政情報 > 知事室 > 知事メッセージ > 談話・コメント・訓示 > 談話・コメント・訓示 2023年 > 令和5年度当初にあたっての職員に対する知事あいさつ
更新日:2023年4月6日
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令和5年4月3日
職員の皆さん、おはようございます。
本県の今年の春は平年よりだいぶ早く到来した感があります。
3月31日には山形気象台で桜の開花が宣言されました。本県での3月の開花宣言は初めてで、平年より13日早かったそうです。
このところ毎日のように晴天が続き、月山の神々しいまでの美しいお姿を見ると心が洗われる思いがいたします。雪割草やまんさく、コブシや梅、椿、水仙、チューリップなど、県内はまさに百花繚乱の時期を迎えております。
このように自然界が生き生きと活動を始めている今日この頃ですが、いよいよ令和5年度がスタートいたしました。
この度の新年度の幕開けは、いつもと違って、歴史的な大転換を目前に控えております。
新型コロナウイルス感染症が本県でも確認され、県民生活や事業活動に深刻な影響を及ぼし始めてから、3年以上経過しましたが、約1か月後の5月8日には、ようやくその感染症法上の位置付けが5類へと移行することが示されました。
職員の皆さんには、これまで、県民の命と生活を守ることを最優先に、医療提供体制の確保や、ワクチン接種などの感染拡大防止対策、そして地域経済の再生・回復、雇用の維持・確保のために御尽力いただいてまいりました。改めて厚く御礼を申し上げます。
特に、医療従事者の皆さんには、自らの命の危険も顧みず、昼夜を問わず、奮闘を続けていただいてきましたことに、深く感謝申し上げます。
今後は、5類への円滑な移行を図り、本県経済の本格的な回復に向けて、県民の皆様、市町村と一丸となって取り組んでまいります。
中でも、コロナ禍にあって、長い間深刻な影響にさらされ、大打撃を受け続けてきた観光業は、すそ野の広い産業でありますので、官民一体となって力を入れて取り組む必要があります。
観光やビジネスなどの交流人口が増えることで、飲食業や交通業にも好影響が及ぶことを期待しております。
さて、本県を取り巻く社会経済環境は、原油価格・物価高騰や多発する自然災害など、大きく変化してきております。
加えて、たとえコロナが収束したとしても、コロナ以前の社会と全く同じ状況に戻ることはありません。コロナ禍の間にデジタル化が相当進みました。今後は、デジタルとリアルの双方を組み合わせたハイブリッド型の手法を用いて、様々な催しが行われることでしょう。
デジタルやグリーンなどの未来につながる変化をしっかりと捉え、国内外の活力を呼び込みながら、持続可能な山形県を創っていくことが重要であります。
こうしたポストコロナの県づくりに当たっては、「令和5年度県政運営の基本的考え方」でお示しした通り、
1未来の『やまがた』をつくる人材育成・確保
2持続可能な成長に向けた産業の生産性向上・高付加価値化
3県民が幸せを実感できる暮らしやすい『やまがた』
4安全・安心な暮らしや交流を支える『やまがた強靭化』
これら4つを施策展開の主な方向性とし、複雑化・多様化する県民ニーズや県政をめぐる困難課題に柔軟かつ積極果敢にチャレンジしながら、時代の転換の先を見据えた県づくりを力強く進めていきたいと考えております。
こうした考え方のもと、今年度、ゼロカーボンの流れを契機とした環境と成長が好循環する社会の実現に向けた取り組みを進めていくため、環境企画課内に「カーボンニュートラル・GX戦略室」を新設いたしました。また、子どもから高齢者まで誰もが便利で快適に暮らせる社会を目指し、県全体のデジタルトランスフォーメーションを加速させていくため「DX推進課」を新設いたしました。
そしてまた、「こども家庭庁」の創設にあわせ、安心して子育てできる環境の整備や子どもが等しく健やかに成長し活躍できる環境づくりに向けた各種支援施策をこれまで以上に力強く推進していくため、しあわせ子育て応援部の課を再編するなど、新しい組織体制を整備したところです。
こうした新しい体制のもと、「第4次山形県総合発展計画」の基本目標であります、「人と自然がいきいきと調和し、真の豊かさと幸せを実感できる山形県」の実現を目指して、全力で取り組んでまいりましょう。
ここで、今年度の、本県における大きな動きやトピックに触れたいと思います。
まず、県が20年の歳月をかけて開発育成した期待の大玉新品種「やまがた紅王」が本格デビューいたします。「さくらんぼ県やまがた」を、未来も発展させていくため、デビューイベントの開催や各種媒体でのプロモーションにも力を入れ「やまがた紅王」のブランド化を強力に進めていきましょう。「つや姫」のブランド化が成功したのは、県民の皆さんお一人お一人や事業者の皆さんも一緒になって、オール山形でPRしたのが功を奏したと考えています。「やまがた紅王」も、県民の皆さんや事業者の皆さんのお力添えをお願いして、オール山形で発信してまいりましょう。
そして、10月には、新しい県立新庄病院が開院する予定です。最上地域の基幹病院として、将来にわたり地域の皆様の信頼のもと、安心・安全な医療を提供できるよう、開院に向けてしっかりと準備を進めてまいりましょう。
さらに、今年度は「米沢トンネル(仮称)」の整備推進に向けて、トンネルの具体的ルートの検討を進めるために必要なボーリング調査等をJR東日本と共同で実施することとしております。このトンネルは、本県の未来を拓く希望のトンネルでありますので、県内外の関係者の皆様とともに一丸となって取り組み、一日も早いトンネル整備実現を目指してまいりましょう。
最後に、防災力の強化・向上に触れないわけにはいきません。
近年、全国的に地震や豪雨などの自然災害が頻発化・激甚化しております。本県でも、毎年のように自然災害や鳥インフルエンザ、豚熱などが発生し、国際社会も不穏な情勢が続いております。
「災害は忘れた頃にやって来る」と言われたものですが、近年は「忘れないうちにやって来る」ようになりました。もし、パンデミックや災害が襲い掛かってきたとしても、短期間での回復・復興が可能な社会を作っていくことが求められていると思います。
県内全域において、ソフト・ハード両面で災害に強い、レジリエントな社会を県民の皆さん、市町村とともに作ってまいりましょう。
先人たちが、様々な困難を乗り越えてきたからこそ、現代の私たちの生活があるわけでありますので、私たちは未来の世代のために、どのような困難をも、知恵と力を合わせて乗り越えて行かなければなりません。みんなの叡智と総力を結集して取り組んでまいりましょう。
結びになりますが、職員の皆さんには、「県民視点」、「現場主義」「対話重視」、この3つの姿勢を改めて大切にしていただき、新しいことに積極果敢にチャレンジする前向きな姿勢で、それぞれの仕事にまい進していただきたいと思います。
そのためには、皆さんご自身の心身の健康が不可欠であります。職員同士で声をかけ合い、「ワーク・ライフ・バランス」をしっかりと意識して、「県民のための県政」、「県民のための県庁」であることを深く心に刻み、県民一人ひとりが、ここ山形県に暮らして良かったと、幸せを感じることができる山形県づくりに、ともに汗を流してまいりましょう。
今年度もよろしくお願いいたします。