更新日:2024年6月18日

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6月定例会(令和6年6月18日)

県議会6月定例会の開会に当たり、提案いたしました議案の説明に先立ち、一言申し上げます。

はじめに、高畠町及び南陽市における大規模林野火災への対応等について申し上げます。

今年は雪解けが平年より早く進んだことに加え、乾燥した天候が続いたこともあり、4月以降、県内各地で林野火災が相次いで発生しました。

中でも、4月28日に高畠町で発生した火災は鎮火までに4日間、また、5月4日に南陽市で発生した火災は、鎮火までに9日間を要する大規模な林野火災となり、南陽市では焼損面積が約137ヘクタールと、県内で発生した林野火災としては、ここ10年間で最大の規模となりました。

発災後、県では速やかに特別警戒配備体制をとり、消防防災ヘリコプター「もがみ」による消火活動を行ったほか、東北各県への消防防災ヘリコプターの応援要請、さらには自衛隊に対し災害派遣要請を行うなど、関係機関からの御協力も得ながら、消火活動の支援等に当たってまいりました。

消火活動等に御尽力いただきました消防、自衛隊、警察など関係機関の皆様に改めて深く感謝申し上げます。

鎮火後の5月16日には、私自身も上空から視察を行い、被害市町や地元の消防機関の皆様と、被害状況の詳細及び今後の対応について情報共有を図ったところです。

県としましては、関係機関と連携し、森林内での火の取扱いに関して、より一層、注意喚起を図っていくとともに、焼損した森林についても、林野庁の助言をいただきながら、南陽市、高畠町と連携して被災区域全体の状況把握を進め、再生の具体的手法について検討してまいります。

次に、本県出身のパリ2024オリンピック・パラリンピック日本代表内定選手について申し上げます。

現在、オリンピックにつきましては、レスリング競技の鏡優翔選手、ボクシング競技の岡澤セオン選手、そして水球競技の鈴木透生選手の3名が日本代表に内定しており、今後も追加の代表内定が期待されるところです。また、パラリンピックにつきましては、水泳競技の齋藤元希選手が日本代表に内定しております。

オリンピック・パラリンピックという檜舞台での本県出身選手の活躍を県民の皆様とともに心から期待しております。

次に、経済の動向、農作物の生育状況並びに当面の県政課題について、順次、御説明申し上げます。

【経済の動向】

はじめに、経済の動向について申し上げます。

我が国の経済につきましては、このところ足踏みもみられますが、緩やかに回復しております。

本県の状況についてみますと、個人消費につきましては、サービス消費を中心に底堅い動きとなっております。鉱工業生産は、半導体関連製品の受注減少の影響などにより、このところ弱含みの動きとなっております。雇用は、あらゆる産業分野において人手不足感が続いており、有効求人倍率は高い水準で推移しております。

このように、本県経済につきましては、緩やかに持ち直しているものの、このところ弱含みの動きとなっているところであります。

今後の先行きにつきましては、食料品をはじめとする物価の上昇が続いており、最近の円安の動きが経済に与える影響も懸念されることから、引き続き国内外の情勢や県民生活・企業活動等への影響について注視してまいります。

【農作物の生育状況】

次に、農作物の生育状況について申し上げます。

今年は、4月は記録的な高温、5月は寒暖の差が大きくなりましたが、これまでのところ、各農作物の管理作業は、順調に行われております。

水稲につきましては、「つや姫」、「雪若丸」、「はえぬき」の主力3品種ともに、初期生育はやや停滞したものの、概ね順調なスタートを切ったところです。

さくらんぼにつきましては、主力品種の「佐藤錦」の収穫は、6月8日頃から始まり、現在は作業が終盤となっており、「やまがた紅王」と「紅秀峰」については、収穫の最盛期を迎えているところです。収穫時期が平年より大幅に早まったため、早期収穫や厳選出荷の徹底について、関係機関と連携しながら取り組んでおります。収穫量は、双子果の発生に加えて、果実の肥大不足、高温による障害果の発生等の影響で平年より少なくなるものと見込んでおります。

また、露地栽培のすいかやメロンにつきましては、現在、果実の肥大期を迎えており、例年並みの7月10日頃からの出荷を見込んでおります。

引き続き、農作物の生育状況の的確な把握に努め、気象の変動に迅速に対応しながら、適切な栽培指導を行ってまいります。

【当面の県政課題】

次に、当面の県政課題について申し上げます。

はじめに、やまがたフルーツ150周年に向けた取組みについて申し上げます。

令和7年は、本県で果樹栽培が始まってから150年の節目、「やまがたフルーツ150周年」であります。この大切な「節目」を情報発信の好機と捉え、本県の果樹産業全体の発展につなげていきたいと考えています。

その取組みとして、まず、県を挙げて、この記念すべき年をともに祝い、ともに盛り上げていくため、ロゴマークを作成し、キャッチフレーズを「いちずに、かじつ。」としました。県産フルーツや加工品のパッケージなどに幅広く御活用いただくことで、「やまがたフルーツ150周年」を県内外に発信し、県産フルーツのブランド力をより一層、高めてまいります。

また、6月6日には、生産者や市町村などの関係者が一堂に会し、「やまがたフルーツ150周年」に向けた機運を醸成するため、その記念事業のスタートを祝う「さくらんぼイブニング」を開催しました。

引き続き、市町村や関係団体、事業者などフルーツに携わっていただいている皆様の150周年に向けた新しい取組みを後押しするなど、オール山形で「やまがたフルーツ150周年」記念事業を盛り上げ、県産フルーツの魅力発信や観光誘客の促進に積極的に取り組んでまいります。

次に、国際交流の拡大に向けた取組みについて申し上げます。

(タイ王国でのトップセールスの実施)

5月29日から6月1日までの4日間、私を団長として、タイ王国を訪問し、県産農産物の輸出拡大及び観光誘客の拡大に向けたトップセールスを行ってまいりました。

今回は、県としてタイ王国では初めてとなる農産物のトップセールスを実施し、現地の農産物輸入企業や地元インフルエンサー等に対し、デビュー2年目を迎える「やまがた紅王」をはじめ、県産米「つや姫」や「総称山形牛」など山形ブランドを強力に発信してまいりました。「やまがた紅王」等のプロモーションでは、さくらんぼなどの県産農産物を実際に試食していただき、大変好評を得たところです。

観光誘客につきましては、タイ国政府観光庁やタイ国観光協会を訪問し、相互交流の拡大について意見交換するとともに、現地の旅行会社に対しインバウンド誘客促進に向けた働きかけを行い、本県への旅行商品造成に向けて前向きな発言をいただいたところです。

また、前駐日タイ王国特命全権大使の、シントン・ラーピセートパン氏をはじめ、本県ゆかりの皆様に「やまがた特命観光・つや姫大使」を委嘱してまいりました。

一年を通して気温の高いタイ王国の皆様からは、雪景色をはじめ、四季折々に表情を変える本県の豊かな自然や、その恵みを受けながら大切に育まれた高品質な農産物に非常に高い関心を寄せていただいております。「やまがた特命観光・つや姫大使」に就任していただいた皆様のお力添えも頂戴しながら、タイ王国における本県の魅力発信にこれまで以上に取り組んでまいります。

(欧州でのトップセールスの実施)

さらに、6月9日から14日までの6日間、欧州のイタリア共和国とフランス共和国を訪問し、県産日本酒の輸出拡大及び観光誘客の拡大に向けたトップセールスを行ってまいりました。

2015年のミラノ国際博覧会への出展を契機に県産日本酒の輸出額が着実に増えているイタリア共和国と、欧州の中でも有数の日本酒輸入国であるフランス共和国において、現地の日本酒輸入企業やレストラン関係者等を招いたプロモーションを実施してまいりました。

プロモーションでは、県酒造組合から県産日本酒の特長を説明するとともに、酒造りの背景にある気候風土や歴史・文化に加え、蔵王の樹氷や羽黒山での山伏修行、銀山温泉のノスタルジックな街並みなど、山形の持つ魅力や素晴らしさについても、私自ら紹介してまいりました。その後、招待客の皆様に現地の料理とペアリングした県産日本酒を味わっていただき、大変好評を得たところです。

特にミラノでは、本県の酒造りやその背景に興味を持った事業者から、本県の酒蔵訪問を含むガストロノミー体験を目的としたツアー造成について前向きな発言をいただいたところです。

また、欧州最大規模の日本酒を中心とした酒類の見本市を主催するシルヴァン・ユエ氏をはじめ、本県ゆかりの皆様に「やまがた特命観光・つや姫大使」を委嘱し、様々な場面で幅広く本県を発信していただけることとなりました。今後も、今回のプロモーションなどで構築した人脈を大切にし、県産日本酒の販路開拓・販売拡大や観光誘客の拡大に努めてまいります。

このたびのトップセールスを通して、本県の山々がもたらす雪解け水やおいしい米を育む環境で作られた山形県オリジナルの酒米、県民に共通する職人気質の真面目さ・勤勉さが生んだ県産日本酒の品質の高さ、そして、本県が誇る自然や精神文化、温泉、食などの多彩な魅力をイタリア・フランス両国で発信できたものと感じております。

県としましては、引き続き、国際交流を積極的に進め、世界の活力を取り込み、本県経済の持続的な発展につなげてまいります。

【議案の概要】

次に、このたび御審議いただく議案の概要について御説明申し上げます。

提案いたしました議案は、令和6年度山形県一般会計補正予算(第1号)など、23件であります。

まず、一般会計補正予算案について申し上げます。

今回の補正予算案につきましては、本年1月の能登半島地震を踏まえた防災・減災対策や、4月にクマ類が指定管理鳥獣に指定されたことを踏まえた被害対策の強化など、喫緊の課題に対応するため編成したものです。

はじめに、能登半島地震を踏まえた防災・減災対策としましては、大型トイレカーの導入や市町村災害ボランティアセンターへの自動ラップ式トイレの整備に対する支援により、被災者や被災者支援に当たっていただく災害ボランティア等に必要な衛生環境の整備に取り組んでまいります。

加えて、冬期の災害への備えとして、地域防災の主体である自主防災組織に対して、雪や寒さを想定した避難所運営マニュアルの作成支援等を行うとともに、県と市町村が連携して、冬期の防災訓練を実施してまいります。

また、冬期における津波警報発令時の避難環境の充実に向け、沿岸市町が行う寒さ対策のために必要な備蓄品等の整備に対して、支援を行います。

これらの対策につきまして、いつ起こるかわからない大規模災害に備えるべく、速やかに実施してまいります。

次に、クマ被害対策としましては、人の生活圏への出没を防止するため、今年度から、出没原因のひとつとなっている放任された柿や栗などの不要果樹伐採に係る経費に対して支援を行っております。

これに加え、今般、市街地や人里においてクマの目撃件数が増加していることを踏まえ、市町村等が実施するクマの移動ルートとなる藪の刈払いやクマ出没時の緊急対応訓練に対する支援など、クマ類が指定管理鳥獣に指定されたことにより拡充される政府の交付金を最大限に活用しながら、令和6年度当初予算と合わせてクマ被害対策の強化に取り組んでまいります。

その他の課題への対応としまして、政府の予算を活用し、医療機関に対する電子処方箋の導入支援に新たに取り組むほか、介護事業所における介護ロボットやICT等の導入に対する支援、県立高等学校におけるデジタル人材育成のためのICT機器の整備等を進めてまいります。

この結果、今回の一般会計補正予算案の総額は、3億6,200万円となり、今年度の累計予算額は、6,501億4,545万6千円となります。

次に、予算以外の議案の主なものについて御説明申し上げます。

山形県県税条例等の一部を改正する条例の設定につきましては、地方税法等の一部改正に伴い、法人の事業税における外形標準課税の適用対象及び軽油引取税の課税免除の特例措置の適用対象を見直す等のためのもの、山形県県立学校設置条例の一部を改正する条例の制定につきましては、山形県立米沢工業高等学校及び山形県立米沢商業高等学校を統合し、山形県立米沢鶴城高等学校を新設するためのものであります。

令和5年度山形県一般会計補正予算(第9号)及び山形県県税条例の一部を改正する条例の制定についての2件の専決処分の承認につきましては、いずれも急施を要したため専決処分をいたしましたので、その御承認をお願いするものであります。

山形県公安委員会委員の任命、山形県収用委員会委員及び予備委員の任命につきましては、委員の任期満了等に伴い、提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。

以上が、今回提案いたしました議案の概要ですが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。

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