更新日:2022年12月1日

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12月定例会(令和4年12月1日)

県議会12月定例会の開会に当たり、提案いたしました議案の説明に先立ち、一言申し上げます。

【経済の動向】

はじめに、経済の動向について申し上げます。

 我が国の経済につきましては、緩やかに持ち直しております。
 本県の状況についてみますと、個人消費につきましては、社会経済活動の正常化が進みつつある中、サービス消費を中心に回復の動きがみられるなど、総じてみれば緩やかに持ち直しております。鉱工業生産は、部品不足等の影響がみられるものの、全体的には緩やかな増加傾向にあり、雇用情勢も、有効求人倍率が堅調に推移するなど改善が進んでおります。
 このように、本県経済につきましても、緩やかに持ち直しているところであります。
 今後につきましては、新型コロナへの対応と社会経済活動の両立、すなわち、ウィズコロナに向けた新たな段階への移行とともに、スタートアップやカーボンニュートラルに向けた再生可能エネルギー産業の振興など、ポストコロナの山形県を創っていくことが肝要であります。
 ただし、足下では、国際的な原材料価格の上昇及び円安による物価の高騰が続いており、消費者マインドの低下や企業収益の更なる下押し等が懸念されます。また、欧米における金融引締めや、中国におけるゼロコロナ政策の継続等による世界的な景気後退懸念も高まっているため、引き続き国内外の情勢や県内経済の動向について注視してまいります。

【当面の県政課題】

 次に、当面の県政課題について申し上げます。

はじめに、新型コロナへの対応等について申し上げます。

(全国及び県内の感染状況等)

 全国では、北海道、東北、甲信越などを中心に感染が再拡大しております。
 本県におきましては、11月22日に、過去最多となる2,207人の新規感染者が確認され、直近1週間の人口10万人あたりの新規感染者数は、全国の中でも高い水準にあります。また、現在、病床使用率が5割を超えているほか、確保病床以外の入院患者も増加しております。
 こうした状況を総合的に踏まえ、本県においても、いわゆる感染の「第8波」に入っているものと捉えているところです。

 

(本県における新型コロナ対応の目安の見直し)

 こうした中、政府はこのたび基本的対処方針を変更し、オミクロン株に対応した新たなレベル分類を示しました。この方針に基づき、「本県における新型コロナ対応の目安」の見直しを行うとともに、医療提供体制の負荷の状況や社会経済活動への影響などを総合的に判断し、見直し後の注意・警戒レベルを「レベル2(警戒)」としたところです。

 

(新型コロナとインフルエンザとの同時流行)

 この冬は、新型コロナとインフルエンザとの同時流行も懸念されており、政府では、医療資源を重症化リスクのある方に重点化する方針を示したところです。これにより、発熱外来での受診は高齢者や基礎疾患のある方、妊婦、小学生以下を基本とされたほか、県ではワクチン接種の促進や家庭での新型コロナの抗原検査キット及び解熱鎮痛薬の備蓄などを呼びかけているところです。
 県としましては、県医師会など関係機関の御協力もいただきながら、発熱外来の更なる確保を図るとともに、コロナ陽性となった方が、安心して自宅療養できるよう、引き続き陽性者健康フォローアップセンターにおける丁寧な相談対応のほか、市町村と連携した要配慮者への見守り支援などにしっかりと取り組んでまいります。

(ワクチン接種の促進及び巡回接種の実施)

 次に、重症化防止対策の要であるワクチン接種の促進について申し上げます。
 県内の3回目のワクチン接種率は約76%で全国第2位となっております。一方、9月下旬から開始されたオミクロン株対応のいわゆる2価ワクチンにつきましては、政府では、従来のワクチンの2回目接種までを終えた12歳以上の希望者への年内の接種が推奨されております。
 県としましては、この2価ワクチンの接種をさらに加速するため、市町村と連携した巡回接種事業を12月18日までの予定で実施しているところであります。一方、10代以下の若い世代に対する接種への理解を深める必要があることから、ホームページや広報媒体を活用した啓発を行うなど、引き続き、希望される方が適時適切に接種できるよう、市町村や関係機関と連携しながら取組みを進めてまいります。

(高齢者施設等における集中的検査)

 また、重症化リスクの高い要介護者が利用する施設や障がい者施設等における感染拡大を防止するため、政府から提供された抗原検査キット約113万回分を使用し、希望する各施設の職員や新規入所者等を対象に、11月中旬から約3か月間にわたる集中的検査を順次実施しているところであります。
 こうした早期発見の取組みを実施することにより、感染再拡大に最大限の警戒をしてまいります。

(経済活動の持続と回復に向けた取組み)

 次に、経済活動の持続と回復に向けた取組みにつきましては、中小企業・小規模事業者への対応として、新型コロナの影響に加え、原材料・燃料費の高騰等の影響により売上げ又は粗利が減少した事業者の事業継続を支援するため、県独自の給付金を支給する事業を進めております。
 併せまして、オンライン商談会への参加やEコマースなど、小規模事業者等がウィズコロナ・ポストコロナ対策として行う販路拡大等の前向きな取組みを支援するほか、市町村と連携した消費喚起策にも取り組んでおります。
 観光需要の回復に向けましては、10月11日から、「全国旅行支援~やまがた旅割キャンペーン」を展開しており、これまで約31万6千人泊分を支援してきております。宿泊施設や観光立寄施設では、首都圏等の遠方からも多くの観光客が来県されるなど、キャンペーンの効果がみられるところです。
 今後も感染状況や原材料・物価高騰等の状況を見極めながら、県内経済の持続と回復に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

 

次に、山形新幹線「米沢トンネル(仮称)」に関するJR東日本との覚書等の締結について申し上げます。

 「米沢トンネル(仮称)」の整備計画の推進と、山形県内の鉄道沿線の活性化を図るため、10月24日に、JR東日本と覚書及び包括連携協定を締結いたしました。
 トンネル整備計画の推進に関する覚書の締結により、事業スキームの確定に向けた検討や、整備計画の具体化に必要な調査の実施、政府への働きかけ等について、県とJR東日本が協力して行っていくことを確認しました。
 また、トンネルの整備効果を高めるためには、山形県内の鉄道ネットワークを通して、県内全域にわたって地域の活性化に取り組むことが必要でありますので、包括連携協定の締結により、鉄道沿線の活性化についても協力して行っていくことを確認しました。
 今回の締結を機に、トンネル整備の早期実現に向けて、JR東日本や市町村、経済界、関係団体などと更なる連携を図りながら、取組みを一層加速させてまいりたいと考えております。

次に、県内の高速道路等の整備状況について申し上げます。

 10月29日に東北中央自動車道の東根北IC~村山本飯田IC間、11月20日に泉田道路が相次いで開通し、北村山地域、最上地域が首都圏と高規格道路ネットワークでつながりました。この開通により、本県高速道路の供用率は79%から84%に伸び、ミッシングリンクは6か所から5か所となり、県内の高規格道路ネットワーク形成へ向けて、大きく前進いたしました。
 来年度には、日本海沿岸東北自動車道の遊佐比子IC~遊佐鳥海IC間、新潟山形南部連絡道路の一部となる梨郷道路の供用が予定されており、その他、新庄酒田道路においても、着実に整備が進められております。
 これまでの開通により、沿線地域には、新たな企業進出や観光入込客数の増加など高規格道路整備の効果が確実に現れております。こうした効果を県内全域に波及させるために、引き続き、事業中区間の更なる整備推進と未事業化区間の事業着手などについて、政府等に強く働きかけるなど、高規格道路ネットワークの早期形成に向けて、しっかりと取り組んでまいります。

【議案の概要】

次に、このたび御審議いただきます議案の概要について御説明申し上げます。

 提案いたしました議案は、令和4年度山形県一般会計補正予算(第5号)など、30件であります。

まず、一般会計補正予算について申し上げます。

 今回の補正予算は、原油価格・物価高騰や新型コロナウイルス感染症など喫緊の課題への対応を実施するほか、給与改定等に伴う人件費の補正などを行うものであります。
 「コロナ禍における原油価格・物価高騰等への対応」としましては、6月補正、9月補正予算において必要とされる様々な業種や分野への支援を充実してきたところであります。今回の補正予算では、これらに加え、現在、物価や光熱費等の高騰により大きな影響を受けている医療機関、私立学校、放流用種苗生産団体、内水面養殖業者、きのこ生産施設に対して新たに支援を実施いたします。加えて、燃油高騰や飼料価格高騰の影響が引き続いていることを踏まえ、運送業者、地域交通事業者、畜産農家に対する支援を継続してまいります。

 「ウィズコロナ・ポストコロナへの対応」としましては、10月から展開している「やまがた旅割キャンペーン」について増額するとともに、観光施設が行う誘客促進策に対する支援を拡充いたします。

 「新型コロナウイルス感染症への対応」としましては、ワクチン接種を行う医療機関に対する協力金の追加、新型コロナ診療・検査医療機関に対する抗原検査キットの追加配付、介護サービス事業所等における感染者発生時のかかり増し経費に対する支援等を行ってまいります。

 「諸課題への対応」としましては、令和4年8月豪雨により被災した農機具の再取得や修理に対して、国庫補助事業を補完する制度として市町村と協調して特別支援を実施するほか、令和5年度からの県職員の退職年齢の段階的な引上げに対応する給与等システムの改修を行ってまいります。

 人件費の補正につきましては、10月6日付けの山形県人事委員会勧告等に鑑み、職員等の給料月額等の改定等を行うとともに、議員及び知事等の特別職に対して支給する期末手当の支給割合の改定に伴う経費を追加するほか、職員の異動等を踏まえた補正額を計上するものであります。
 この結果、今回の一般会計補正予算総額は、54億4,800万円となり、今年度の累計予算額は、7,374億9,300万円となります。
 繰越明許費につきましては、年度内に支出の終わらない見込みのある経費について翌年度に繰り越して使用するため、総額で128億8,900万円余を計上するものであります。
 債務負担行為の補正につきましては、工事の早期着工を図るため、いわゆるゼロ県債等の設定など20件、61億9,400万円の追加と1件の変更であります。
 土地取得事業特別会計など2特別会計及び流域下水道事業会計など5公営企業会計の補正予算につきましては、人件費等を補正するものであります。

次に、予算以外の議案の主なものについて御説明申し上げます。

 山形県職員の定年等に関する条例等の一部を改正する条例の設定につきましては、職員の定年を段階的に年齢65歳に引き上げる等の措置を講ずるとともに、地方公務員法の一部改正に伴い管理監督職勤務上限年齢による降任及び転任の制度について、所要の措置を講ずる等のためのものであります。
 個人情報の保護に関する法律施行条例の設定につきましては、個人情報の保護に関する法律の改正に伴い、本県の個人情報保護制度に法の規定が直接適用されることから、山形県個人情報保護条例を廃止し、同法に規定されていない本県独自の規定など、必要な事項を定めるものであります。
 山形県公害審査会委員の任命につきましては、委員の任期満了に伴い、提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。

 以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。

 

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