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更新日:2020年10月12日
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県議会6月定例会の開会にあたり、提案いたしました議案の説明に先立ち、一言申し上げます。
このたび、本県が開発した、期待のさくらんぼ大玉新品種の名称を、「やまがた紅王」と決定いたしました。
これは、全国の皆様からの1万5,034通の応募や、様々な専門家からの御意見などを考慮し、我が国や輸出対象となる国・地域の商標などを確認して決定したものであります。
本県のさくらんぼの将来を担う期待の大型新人として、国内外の消費者の心をつかむ品種に育って欲しいと思っております。
今後は、令和5年の本格販売開始に向けて、この名称の周知を図るとともに、高品質な果実の安定生産に向けた取組みや、市場や果実専門店等からの求評、消費者へのPRなど、生産者をはじめ、農協、流通関係者などと共に、オール山形の体制で、早期のブランド化に取り組んでまいります。
次に、経済の動向、農作物の生育状況並びに当面の県政課題について、順次、御説明申し上げます。
我が国の経済につきましては、輸出や生産の弱さが続いているものの、個人消費は持ち直しており、雇用情勢は着実に改善しているなど、全体として緩やかに回復しております。
本県経済についてみますと、生産は緩やかな増加傾向にある中でこのところ足踏みがみられます。一方で、個人消費は力強さには欠けるものの持ち直しており、雇用情勢は着実に改善が進んでいるなど、全体として緩やかな回復の動きがみられます。
先行きにつきましては、緩やかな回復が続くことが期待されますが、通商問題の動向など国内外の経済情勢の変化が本県に影響を与えることも予想されますので、引き続きその動きを注視してまいります。
今年は4月に入ってからの降雪や低温の影響で、生育の遅れが心配されましたが、5月は、日照時間が過去最長になるなど好天に恵まれ、生育は全体的に順調に推移しております。
こうした中、去る6月5日に、寒河江市や大江町、河北町など西村山地域と、天童市、東根市を中心に降雹(ひょう)や強風などに襲われました。雨よけ被覆のない露地物のさくらんぼをはじめ、りんご、ラ・フランスなどの果樹や、えだまめ、すいかなどの野菜では、雹による果実や葉・茎の損傷、突風による新梢(しんしょう)の枝折れなど、6月12日現在で約9億円の被害が発生しているところです。
県では、生育や収量への影響を最小限にとどめるよう、農業団体等と連携して技術指導の徹底を図っておりますが、このたびの被害の大きさに鑑み、かかり増しする農薬・肥料等の購入費や、パイプハウス等施設復旧のための資材購入費への補助、さらには運転資金のための無利子融資など、県単独の災害対策事業等を本日、発動することといたします。
今後とも、被災市町や農業団体等と連携しながら、地域実情に応じた現場指導や災害対策事業等の活用促進はもとより、被害を受けた果実等の有効利用を図るなど、農業者の営農意欲が損なわれないよう万全の対策を講じてまいります。
主な農作物の生育状況につきましては、水稲は、田植え作業が順調に進み、「つや姫」や「雪若丸」をはじめ、生育は良好となっております。
さくらんぼでは、露地栽培につきましては降雹や強風などによる被害は生じているものの、主力である雨よけ被覆栽培につきましては大きな被害もなく、順調に生育しております。主力品種の「佐藤錦」の収穫盛期は6月22日から26日頃、また、「紅秀峰」は6月末から収穫が始まると見込んでおります。
7月中旬から出荷時期を迎えるすいかやメロンなどの露地野菜につきましては、病害虫の発生も少なく、順調に生育しております。
今後とも、農作物の生育状況の的確な把握に努め、気象変動や災害に迅速に対応しながら、引き続き適切な栽培管理がなされるよう指導してまいります。
平成22年3月に策定しました「第3次山形県総合発展計画」が今年度末に終期を迎えますので、今般、山形県総合政策審議会に次期計画の策定を諮問いたします。
人口減少と少子高齢化の加速やグローバル化の拡大・深化、ICTの飛躍的発展など、本県を取り巻く環境が大きく変化する中、中長期的なビジョンをしっかりと描いて、県民の皆様と共有していく必要があります。このため、県議会の皆様と十分に意見交換させていただくとともに、市町村や県民各層からも広く御意見を伺いながら、今年度中の策定に向けて検討を進めてまいります。
また、政府では、年内に、次期「まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定することとしております。そうした政府の対応も踏まえ、本県の次期総合戦略につきましても、次期総合発展計画と一体的に検討を進めてまいります。
このたび、庄内-成田線の定期便就航が決まり、8月1日から毎日1往復運航されることとなりました。これにより、首都圏をはじめ国内外の各地と本県を結ぶ航空ネットワークが充実し、インバウンドなどの観光振興、交流人口の拡大などが図られ、庄内地域、ひいては本県の活性化、発展の起爆剤になるものと大いに期待しております。
今後、運航の定着に向けて、地元の市町はもとより、県内全域の経済団体や観光団体などと一丸となって、利用拡大に取り組んでまいります。
また、台湾と山形空港、庄内空港を結ぶ春・夏期の国際定期チャーター便につきましては、今年3月から8月まで計84便運航され、台湾からのお客様に、本県の豊かな自然や食、温泉などを満喫していただいているところです。
さらに、秋・冬期の国際定期チャーター便につきましても、昨年度に引き続き、台湾桃園(とうえん)国際空港と山形空港との間で150便が運航されることとなり、台湾から県内両空港への国際定期チャーター便は、春・夏期とあわせ、過去最高の計234便の就航となる見込みであります。
御来県される台湾の皆様に本県の魅力を堪能していただけるよう、官民一体となっておもてなしに努めるとともに、将来的な定期便化を見据え、引き続き県内空港へのチャーター便の誘致を強力に進めながら、インバウンド誘客の拡大を図ってまいります。
本県は多くの山岳資源を有しており、更なる魅力や認知度の向上を図り、その保全と活用を一層推進するため、平成28年度に「やまがた百名山」を選定し、本県の山岳資源を県内外へ積極的に情報発信するとともに、安心して登山を楽しんでいただけるよう受入態勢の整備を行ってまいりました。
これまでの取組みを発展させ、本県山岳資源の魅力をさらに強力に発信するため、「山の日」全国大会の本県での開催の誘致に山形市、上山市とともに取り組んできたところですが、このたび、令和3年8月11日の「山の日」に第6回大会が蔵王において開催されることが決定いたしました。
この大会には全国各地から多くの方々が参加されますので、この機会を活用して本県の山々の魅力を全国に発信し、山岳観光の振興につなげていくとともに、県民の皆様にも、地域の宝として愛着を深めていただけるよう取り組んでまいります。
地域の活力と競争力を高め、我が国が将来にわたって持続的に発展していくためには、社会の人口の半分を占める女性も能力を十分に発揮して活躍することが不可欠でありますので、政府と一体となって取組みを加速する必要があります。
私は、これまでも全国知事会男女共同参画プロジェクトチームのリーダーとして、また、政府における女性活躍に関する制度検討会議の委員として、提言を続けてまいりました。加えまして、今年3月には、内閣府の重要政策会議の1つとされる「男女共同参画会議」の議員に就任し、4月及び6月に開催された会議において、「日本社会の活力維持・向上に必要な女性活躍とその課題」や、「女性も活躍できる環境整備」について提言を行いました。
その内容は、「女性の就労促進に加え、地方の大宗を占める中小企業・小規模事業者における女性の就労継続・正社員化と管理職への登用、職場における賃金格差の是正が重要であること」や、「仕事と家庭の両立支援に向けて、低所得者層や多子世帯に対する放課後児童クラブ利用料の軽減措置の創設が必要であること」、また、セクハラやパワハラなどあらゆるハラスメントを根絶し、男女共同参画社会の意識を醸成するためには、「小さい頃から『人として互いに尊重し合い、共に支え合いながら社会貢献することが大切』という教育が大事であること」などであります。
県としましても、関係機関・団体との連携のもと、女性も男性も家庭・職場・地域でそれぞれの役割を果たしながら活躍できる社会の実現に向けた取組みを強力に推進するとともに、私自身も、今後とも引き続き、地方の代表として様々な機会を捉え、しっかりと提言してまいります。
昨年5月に東北で初めて本県で開催されたIWC「SAKE部門」の審査会が、今年は4月5日から8日までロンドンで開催されました。県産酒は、9部門のうち1部門で最高位となる「トロフィー」に輝き、6部門12銘柄で金メダルを受賞いたしました。
金メダル受賞数が6年連続で全国第1位となるなど素晴らしい成績を収めたことは、県産酒の質の高さを証明するものであり、改めて「日本一美酒県山形」を国内外に示すことができたものと大変喜ばしく思っているところです。
県産酒は国内外から高い評価を得て注目されており、これを契機に、県産酒を核に県産品全体の取引拡大につなげていくことが重要だと考えております。
今年度は、新たに、県産酒を中心に食や伝統工芸、観光など、県産品等を総合的にPRする「『日本一美酒県山形』フェア(仮称)」の開催や県産酒の魅力を広くPRする人材の育成などを行い、県産酒をはじめ県産品の販路拡大を図ってまいります。
本年、3月23日に東北中央自動車道の東根~東根北間、4月13日に南陽高畠~山形上山間が相次いで開通し、東根市より南側が首都圏と高速道路で結ばれるとともに、南東北エリアに高速道路の環状ネットワークが形成されました。
これにより、本県高速道路の供用率は10年前の50%から76%まで伸びたところです。ゴールデンウィーク期間における、県内の主要観光地16箇所、及び主要イベント会場5箇所の観光客入込状況は、前年に比べ132%となりましたが、この大幅な増加につきましては、今年のゴールデンウィークが10連休となったことなどに加え、高速道路がつながったことが観光誘客に寄与したものと考えております。
引き続き、交流人口の拡大や地域経済の活性化につながるよう、宮城県、福島県とも連携して取り組んでまいります。
また、5月23日には、日本海沿岸東北自動車道の酒田みなと~(仮称)遊佐比子間が、令和2年度までに開通する見通しであることが公表されました。横軸道路につきましても、今年度、新潟山形南部連絡道路の小国道路が新規に事業化され、新庄酒田道路の戸沢〜立川間が計画段階評価を進めるための調査に着手されるなど、着実に整備が進められております。
今後とも、高速道路ネットワークの早期完成に向けて、事業中区間の開通見通しの提示や未事業化区間の事業着手について、政府等に強く働きかけを行ってまいります。
提案いたしました議案は、令和元年度山形県一般会計補正予算(第1号)など、27件であります。
今回の補正予算では、内閣府の地方大学・地域産業創生交付金の活用を前提に、世界最先端のバイオエコノミー拠点形成のため、慶應義塾大学先端生命科学研究所等が取り組むバイオベンチャーの事業化や起業人材の育成・定着への支援を行います。
また、政府の「総合的なTPP等関連政策大綱」に基づき、中山間地域における農産物生産の収益性を高めるため、集出荷調製施設等の整備への支援を追加いたします。
加えまして、最上小国川流水型ダム建設事業について、詳細調査を踏まえた、透水性が高い地盤の遮水性を高めるための工事費の増額や、国会議員の選挙等の執行経費の基準に関する法律等の一部改正に伴い参議院議員選挙執行事務費の増額を行います。
この結果、今回の一般会計補正予算総額は、16億6,000万円となり、今年度の累計予算額は、6,147億5,800万円となります。
山形県手数料条例の一部を改正する条例の制定につきましては、危険物取扱者試験手数料等の額の適正化を図るためのもの、山形県民生委員の定数に関する条例の一部を改正する条例の制定につきましては、世帯数の変動等に伴い、民生委員の定数を変更するためのものであります。
山形県公安委員会委員の任命、山形県監査委員の選任及び山形県人事委員会委員の選任につきましては、いずれも委員の任期満了に伴い、提案の者を適任と認め、御同意をお願いするものであります。
以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。
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