あおり運転について
妨害運転は、これまで社会問題となっていた「あおり運転」を、令和2年の道路交通法改正で定義づけたもので、厳しい罰則も規定されました。
妨害運転(あおり運転)は、
- 他の車輌等の通行を妨害する目的で
- 下記の一定の違反(※)を
- 当該他の車両等に道路における交通の危険を生じさせるおそれのある方法で
行うことで成立する交通違反です。
※妨害運転(あおり運転)に該当する一定の違反<例>
- 通行区分違反<対向車線にはみ出す>
- 急ブレーキ禁止違反<不要な急ブレーキをかける>
- 車間距離不保持<車間距離を極端に詰める>
- 進路変更禁止違反<急な進路変更>
- 追越し違反<左からの追い越し>
- 減光等義務違反<執拗なパッシング>
- 警音器使用制限違反<不必要なクラクションの反復>
- 安全運転義務違反<幅寄せや急な加減速>
- 最低速度違反(高速自動車国道)<高速自動車国道の本線車道での低速走行>
- 高速自動車国道等駐停車違反<高速自動車国道や自動車専用道路での駐停車>
妨害運転により検挙されると、
- 3年以下の懲役または50万円以下の罰金
- 違反点数25点で免許取り消し(欠格期間2年。前歴や累積点数がある場合には、最大5年。)
の刑罰、罰則が科せられます。
また、この妨害運転(あおり運転)を行い、よって高速道路等において他の自動車を停止させ、その他道路における著しい交通の危険を生じさせた場合は、
- 5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
- 違反点数35点で免許取り消し(欠格期間3年。前歴や累積点数がある場合には、最大10年。)
となる上、この行為が危険運転致死傷罪に該当する場合は、
- 人を負傷させた者は15年以下の懲役
- 人を死亡させた者は、1年以上の有期懲役
を科されることになります。
妨害運転(あおり運転)への対処方法は、
- 駐車場や路肩等に停まって相手をやり過ごす(高速道路ではSA・PAに避難)。
- 停車はできるだけ人目の多いところを選ぶ。
- 避難しても相手が追いかけてきたときは、すべての窓と鍵を閉め、車から降りず、相手と話をしない。
- ドライブレコーダーやスマートフォン等で一部始終を記録する。
- 相手の車のナンバーなどを記録する。
- 警察に110番通報する。
などがあります。
一方、このようなことは危険ですので、しないよう気をつけてください。
- スピードを上げて逃げる
- 相手が妨害したのでやり返す。
- 道路上に停まって車から降りる。
- 相手の話が聞こえなかったので窓を開ける。
- 自分にも非があると思って、警察に通報しない。
妨害運転(あおり運転)は、何らかのきっかけで不快に感じたり、誤解を持ってしまったドライバーが、憤怒の情や誤った正義感を運転行為等に表したものと考えられます。
被害者が必ずしもこうした運転をしていたということではありませんが、周囲のドライバーに不快感や誤解を与えるなど、妨害運転(あおり運転)のきっかけとならないよう、次のことに気をつけ、「おもいやり・ゆずりあい」の気持ちを持った運転に努めてください。
- 通行帯を守りましょう。
- 安全な速度で走行しましょう。
- 車間距離を保ちましょう。
- 不要な急ブレーキをかけない、かけさせないようにしましょう。
- 急な割り込みにならないよう車線変更をしましょう。
- 不要なクラクションを鳴らさないようにしましょう。
- 周囲の状況に応じ、正しく前照灯を使用しましょう。
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※ドライブレコーダーは、交通事故等の際、当時の状況が記録されるほか、妨害運転(あおり運転)等の悪質・危険な運転行為の抑止に効果的です。