更新日:2020年10月12日
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10個程度のウイルスが、人の腸内で爆発的に増殖し、億単位で排泄されます!
不顕性感染といい、感染していることを自覚できません!
症状がなくとも便の中にウイルスは排泄されます!
治ってもまだまだ感染は続いています!
トイレットペーパーの繊維の隙間は簡単に通り抜け、手に付着します!
調理従事者がノロウイルスに感染すると、食中毒につながる可能性がとても高くなります。
調理従事者自身が感染しないよう、流行期(11月~5月)は特に注意する必要があります。
ほとんどの二枚貝は、ノロウイルスを体内に取り込み、中腸腺という器官(人間でいうと肝臓と膵臓の働きをする器官)に溜め込む性質があります。
この中腸腺は、ホタテガイでは「うろ」と呼ばれる緑色~茶色をしている部位で、ホタテを生食する時には外して食べますし、この部分まで食べる場合は(他の二枚貝でも)しっかり加熱して食べています。
しかし、カキの中腸腺は、身の膨らんでいる真ん中に入っているため、外して食べることはできませんし、加熱調理しても火が通りにくい部分であるため、湯引きや半生状態では中腸腺のウイルスを失活させることはできません。
流行期は、不特定多数の人が手を触れる場所・物(あるいは公衆トイレ)には、誰かがノロウイルスを付けてしまっている可能性があります。
調理を行う皆さんも生活の中で様々な場所・物に触れなければいけませんが、その際に手にノロウイルスが付いてしまうことがあります。
そのノロウイルスが付いた手で調理すれば食中毒につながりますし、何かを手づかみで食べれば自分が感染してしまいます。
調理場ではしっかり手洗いしている方も、オフの時には油断してしまうことがありますのでご注意ください。
軽い気持ちで食べるものほど手で食べる場合が多くあります。
例:お菓子をつまんで食べる、缶飲料のプルトップの開封時に飲み口に触れる、流行期である冬場は特に、みかん、やきいも、中華まん等・・・
こういったおやつの前にも油断せず、しっかり手を洗うことが重要です。
ノロウイルスは感染力が強く、同居している家族内に感染者がいた場合、他の家族にうつってしまうことも多くあります。
一方、ノロウイルスは感染しても症状として現れない(不顕性感染)こともありますので、家族内で胃腸炎症状が流行していれば、自身に症状がなくとも感染してしまっている可能性があります。
調理従事者が自身の家族内の流行状況に注意することは重要ですが、店舗(施設)としては、各従業員の日々の健康確認(下痢・嘔吐等)を行う際には、従業員の家族内の健康状態も併せてチェックするとなお良いでしょう。
家族が感染してしまった場合の消毒方法はこちら
※外部リンク(ノロウイルスの消毒方法:食品安全委員会)(外部サイトへリンク)
調理従事者自身の感染予防はもちろん重要ですが、感染のリスクはゼロにはなりません。
さらに、感染しても症状が現れなければ感染したことすら自覚できませんので、仮に調理従事者が不顕性感染者であった場合でも食中毒の発生につながらないような仕事を普段から行わなければいけません。
調理従事者自身が不顕性感染者である可能性が高い場合には、調理に携わらないことが第一であることは言うまでもありません。
予防の基本はやはり手洗いです。以下のような場合には、手洗い用シンクでしっかり手を洗いましょう。(手洗いすれば手はきれいになりますが、それまで付いていた汚れはシンクに付着してしまいますので、調理用シンクと手洗いシンクは共用できません。)
※外部リンク(正しい手洗い:日本食品衛生協会)(外部サイトへリンク)
ノロウイルスが流行する冬季に、真水で長時間手洗いするのは大変!
水道管の凍結防止も兼ねて、微かにでも手洗いに温水を供給できれば、手洗いの負担や苦痛は大きく改善されます。
ノロウイルスは85℃、1分間の加熱で失活します。
ノロウイルスの汚染のおそれのある食品(貝類等)の加熱調理は、中心温度として85~90℃、90秒以上の加熱が望まれます。
(加熱調理用のカキを鍋や陶板等で提供する場合、完全に火が通ってしまうと身が縮んでしまうといって、お客様が加熱不十分な状態のうちに食べてしまう場合がありますのでご注意ください。)
先にも述べたとおり、ほとんどの二枚貝はノロウイルスを中腸腺という器官に溜め込む性質があります(さらに、一部の巻貝もノロウイルスを体内に蓄積してしまうようです)。
生の貝類に使用した調理器具類をそのまま生食用の食品(刺身・野菜等)に使用すると、調理器具類を介してウイルスが移ってしまいますので、調理器具の使い分けが必要です。
流行期には、人の手の触れる箇所にはノロウイルスが付着している可能性がありますが、自店舗内も例外ではありません。
危険性のある箇所は定期的に次亜塩素酸系の消毒薬で消毒しましょう。
市販の塩素系漂白剤(ブリーチ、ハイター等)を使用する場合は200~300倍に薄めると普段の消毒に適した濃さになります。
(次亜塩素酸Naは紫外線等で分解してしまうので、使うときに薄めるのが理想的です。)
こうして作成した消毒薬は、清潔なふきんやペーパータオル等にとって、対象の箇所を浸すように拭きましょう。
なお、金属部分は次亜塩素酸により錆びてしまう場合がありますので、消毒後は再度水拭きし、塩素分を取り除きましょう。
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