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更新日:2022年4月4日

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第20回『最上を拓く高規格道路』建設促進合同大会

今般の新型コロナウイルス感染拡大の情勢を鑑み、皆様にお集まりいただく集会形式での開催を変更し、書面形式での開催とさせていただきました。

1 大会決議

 山形県最上地域は、四季折々の豊かな自然や魅力ある観光資源が多く、また安定的な食糧供給が可能な東北有数の農業生産地帯である。しかし、当地域は周囲を高く険しい山々に囲まれており、中山間地が多く、尚且つ、特別豪雪地帯という厳しい自然環境下にあることから、更なる発展を期すためには、四季を通じ安全で災害に強い交通網等の整備が急務である。

 とりわけ、自動車交通への依存度が高い当地域において、「高規格道路十字連携軸」、すなわち縦軸となる「東北中央自動車道」と、横軸となる「新庄酒田道路」「石巻新庄道路」は、人・物・文化の地域間交流を促進し、農業・産業・観光の活性化、災害に対する強靭化、医療サービス向上等の観点から整備効果は極めて大きく、早期供用は地域の悲願である。

 また、コロナ禍で社会情勢が大きく変化している今、分散型の国土利用への需要に対応し、さらにポストコロナ時代の「新たな日常」の構築と地方創生並びに国土強靭化を推進し、安全・安心で豊かな生活を営むことができる地域を実現するためには、広域的な幹線道路ネットワークの形成が必要不可欠である。

 以上のことから、ここに、関係地域の方々、関係団体の熱意を結集し、次の事項について特段の配慮を講じられるよう強く要望する。

 

一 東北地方の復興及び地域経済の活性化並びに生産性の向上をもたらす、いわゆる社会資本のストック効果を早期に発揮させるため、以下の「高規格道路十字連携軸」を早期に整備すること。

●東北中央自動車道

〇「泉田道路」、「新庄金山道路」及び「横堀道路」の早期完成を図ること。

〇「金山道路」及び「真室川雄勝道路」の整備促進を図ること。

●新庄酒田道路

〇「新庄古口道路」及び「高屋道路」の早期完成を図ること。

〇「高屋防災」及び「戸沢立川道路」の整備促進を図ること。

〇調査中区間(未事業化区間)の着実な事業化に向けた調査推進を図ること。

●石巻新庄道路

〇災害発生時の迅速な復旧、復興に資する、高規格道路と直轄国道のダブルネットワーク化を図るため、調査中区間の事業化に向けた調査推進を図ること。

 

一 地域経済力の強化、新型コロナ収束後の官民を挙げた経済活動の回復、迅速で円滑な物流の実現、災害時における経済や生活の安定確保のため、令和3年7月に策定された「東北地方新広域道路交通計画」に高規格道路として位置付けられた、東北中央自動車道、新庄酒田道路及び石巻新庄道路の事業中・調査中区間について、確実に重要物流道路に指定し、計画的・継続的に必要な機能強化や重点整備を図り、ネットワークの強化を図ること。

 

一 国の公共事業関係費を、平成21年度以前の7~8兆円規模に回復させ、長期的・安定的に道路整備や老朽化対策を含む維持管理が進められるよう、新たな財源を創設するとともに、公共事業関係費の大幅な増額を図ること。

 

一 急速な老朽化が危惧される道路施設の安全対策を推進すること。併せて、雪害、激甚化・頻発化する風水害及び東日本大震災等に匹敵する大規模自然災害から人々を守るために、ダブルネットワークの構築や冬期交通の確保を含めた支援体制を着実に実施するとともに、「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の計画的な推進と、必要な予算・財源を通常予算とは別枠で確保すること。

 

以上、決議する。

 

令和4年2月7日

 

 最上開発協議会

 新庄・湯沢地域間高規格幹線道路建設促進同盟会

 国道47号・新庄酒田地域高規格道路整備促進期成同盟会

 石巻・新庄地域高規格道路建設促進期成同盟会

 

第20回『最上を拓く高規格道路』建設促進合同大会 大会決議(PDF:85KB)

2 意見発表

新庄市 株式会社さくらプランニング 取締役 工藤 恵子 氏

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『高速道路網と情報活用連携の可能性について』

 当社は、企業や行政、NPOや団体等、幅広い層の広告・出版物のデザインやWEBサイト・動画制作をはじめ、様々な情報発信支援を行う企画制作会社として平成29年に設立いたしました。特に、お客様が抱える課題解決のため、既存の資源「ヒト・モノ・コト」を最大限に活かせるようコーディネートすること、それぞれの強みを掛け合わせて新しい発想や仕組みを生み出していくことで、地域社会に貢献することを企業理念としております。こうした会社を設立した背景には、ものづくり県である山形を国内外に発信していきたいという想いがあり、この情報化社会において地方であることは必ずしも不利ではなく、どこにいても世界と繋がり十分闘える時代になったのではないかとの考えがあったからです。

 さて、新型コロナウィルス感染症の世界的広がりから早2年、今後もその対応として「密」を避けざるを得ない状況は続いていくと考えられます。これまでの首都圏への一極集中構造から、それぞれの拠点都市へ分散していくニーズは高まることでしょう。現に、子育て世代は子育て・教育のより良い環境を求めて、シニア世代は自身の思い描くセカンドライフの充実を求めて地方へ移住する人が増えています。こうした動きを一過性に終わらせず、成功させるカギの一つとなるのが、高速道路網の整備と拡充だと思います。人がサービスやコンテンツを求めて特定の場所へ集う従来のニーズもさることながら、今後はサービス提供者が個々のニーズに対応する機動型店舗、例えば飲食店がキッチンカーに置き換わっていくような、こうした手法でビジネスチャンスを広げていく傾向は今後更に増えていくのではないでしょうか。また、自宅にいながらにしてほしい商品が手に入るネット販売が増え、店舗を持たなくても商売ができる時代になりましたが、商品の製造とそれらの輸送はなくなったりはしません。安定的な物流に不可欠なのは基幹道路とそこへのアプローチであり、それがどれだけ無駄なくできるかが非常に重要です。加えて、コロナの影響もありサプライチェーンの国内回帰に関心が高まっています。製造業を中心に生産拠点としての地方の役割も増してくることでしょう。

 そして、もう一つのカギは、身近になっていく高速道路網の利用と連動させ、人流・物流データを解析し必要な情報コンテンツとして発信していくような、更なる活用の充実化にあると思います。例えば、ETC2.0のような道路と車の両方向性の情報システムがもっと普及すれば、交通事故や災害等による渋滞の把握、物流効率の向上、沿道環境への影響といった様々な問題解決に役立つことは間違いありません。また、ドライバーが最短で移動でき料金も安く済むのであれば、観光や地方移住へのハードルは下がり、より地域社会への好循環をもたらすことが期待できます。移動に最適な時期・時間帯やプランが、こうしたビッグデータの解析から応用活用させるようになれば、生活や事業の拠点を地方に置くことは特別珍しいことではなくなっていくのではないでしょうか。

 縦軸である東北中央自動車道は福島県相馬市から秋田県横手市まで約270km、この全面開通は拠点と拠点を結ぶ太くて重要なパイプです。そして横軸である新庄酒田道路の早期完成は、最上地域に生活する私たちだけでなく、村山・庄内地域や秋田県境の近隣地域が安心して繋がることのできる基盤となります。高規格道路の整備と拡充は、地域の暮らしを守り、地域の発展と未来に向けて架けていくべき「橋」となると考え、その早期実現に大いに期待しています

工藤恵子 氏『高速道路網と情報活用連携の可能性について』(PDF:266KB)

 

舟形町 フレッシュライフ株式会社 代表取締役 出井 浩貴 氏

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『 物流・観光面から見た未来への道 』

 「最上を拓く高規格道路」建設促進合同大会ということで、弊社で関わっている"物流と観光の両面からみた高規格道路促進"について、意見発表させていただきます。まず、私個人と弊社事業について簡単に説明しますと、私は埼玉県の川越市出身で大学卒業後、中古品を売買するリユース関係の会社に就職し5年間勤務しました。中古品を扱う中で、価値のあるものは時間が経過しても価値が下がらないという事を目の当たりにして、では「人が生きていく上で一番重要で価値のあるものはなんなのか。」と考えた時に"食"は絶対に外せないもので、どのような時代になってもなくなる事がない。首都圏は消費をする場所であり生産地ではない、それを生産している地域にこそ価値や可能性があるのではないか。という考えに至り、実際に行ってみて"食"に関わる何かしたいという思いで、平成26年に「舟形町地域おこし協力隊」として着任しました。任期中は町のふるさと納税の推進を中心に活動し、生産者の方たちと繋がりを持ちました。

 任期満了後、定住し最上地域の食の流通や地域活性化に関わる事業などを目的とした、フレッシュライフ株式会社を創業。現在は神奈川県にある保育園への給食用のお米の定期納品や、最上郡の魅力ある食材のネットショップでの販売、舟形町のふるさと納税アドバイザーや舟形町観光物産協会事務局などをさせていただいており、物流や観光に深く関わる事業を行っております。今回は実際に事業をしていく中で感じた事を紹介したいと思います。

 物流の面では、ふるさと納税や自社物販関係で年間数万件を超える出荷に関わっており、出荷先の半数以上が首都圏となっております。大手通販サイトでは、送料無料や翌日配送が当たり前となっている中で、輸送費の軽減と輸送時間の短縮が大いに求められる時代となっております。さらに、最上地域の場合は、冬場の雪による影響も加味する必要があり、安定供給も重要な課題となります。それらの課題を解決するためにも、高規格道路の整備が進めば、「輸送費の軽減、輸送時間の短縮、安定供給」に繋がる可能性があり、最上地域の魅力的な食や物品を安く早く新鮮な状態で届ける事により、他地域の地場産品とも対等に競う事ができるようになると感じております。

 次に観光の面では舟形町観光物産協会で昨年7月に町の公共施設を利活用し、地元食材を使ったフレンチ仕込みのレストラン「ラテール」のオープン、ドライブスルーでの特産品販売イベント実施、舟形町特産品サイト「ふなトク」にて購入した商品を実際に現地(舟形町)に受取に来ると町で使える商品券で最大30パーセント還元する現地受取型決済サービスという新しい取り組みなど様々な方面から循環を生み出すような仕組みづくりに取組んでいます。新型コロナウイルスの影響で人の行き来が制限されている中で、自宅から1、2時間圏内の地元又は近隣への日帰りやショートステイでの観光、いわゆる「マイクロツーリズム」という言葉が主流となり、山形県内や宮城県を中心とした東北地方での交流促進が重要となっていく中で、高規格道路が整備されることで「より身近で便利、気軽に安全」な往来が可能となると感じております。

 物流・観光の両面からみて、高規格道路の整備が進むことは、地域を拓き、人とモノの循環が生まれ、結果として最上地域の発展だけでなく、県内外の発展にも繋がっていくのではなかいと思います。そのためにも1日も早い高規格道路の整備を切にお願いし、意見発表とさせていただきます。

出井浩貴氏『物流・観光面から見た未来への道』(PDF:339KB)

 

戸沢村 最上峡芭蕉ライン観光株式会社 船頭 横井 ゆき 氏

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『 山形県 最上地方さ 行がんなね! 』

 三度目の発表となるはずでありましたが、この度は書面にて皆様にお伝えさせていただくことになりました、毎度おなじみの芭蕉ライン観光 横井ゆきでございます。数年前には、東京の各省庁へ高規格道を早期に拡張できるようお願い参りのお供をさせていただいたわけですが、なんといつも大変お世話になっている国土交通省にて、私たちの正装・法被姿がドレスコードに引っかかってしまい時間を取らせてしまいまして… 必死でお願いしなくてはと「船頭は予算確保のため一生懸命タバコを吸ってたばこ税を増やして貢献しているのでぜひに!」と訴えてまいりました…今となっては懐かしい思い出です。それから早いもので、令和4年度中には戸沢村古口から東京まで一回も下りずに車で移動できるというではありませんか!

 私、たまに舟の上でこんなご案内をしているんです。「最上川に沿って通っている47号線に並行しているトンネルの工事現場ですが、ゆくゆくは日本海側の山形県酒田市から、太平洋側の宮城県石巻市まで一本の自動車専用道路が通る予定なんですよ!でもそんな便利な世の中になったらこの舟下りは忘れ去られてしまうのではないかと心配していたのですが…なんとその自動車専用道路が完成するのがあと40年後だそうですー!」というと、お客様の笑いがあふれます。しかし、縦の東北中央自動車道がそれほど早く整備されるのであれば、横のみちのくウエストラインも時間の問題となりそうですね。ということで、時間短縮になりわかりやすく便利な高規格道路が、本当にネタの話のように観光地のあだとなってはいけません。そのため、私たちも何か努力をしなくてはと思うのですが、最近は情報発信に力を入れています。

 今はテレビよりもSNSの時代です。弊社では、youtubeで「芭蕉ラインチャンネル」を不定期であげております。弊社一押しの船頭役者ナンバーワンの 山科亨 が、戸沢村のホットスポット「ポンポ館」で温水ウォータースライダーや、戸沢村の癒しスポット「パーラー白糸の滝」で五重塔バーガーや1?のクリームソーダなどに挑戦したりしています。また、東北中央自動車道を利用して置賜地方へ 山科亨 が連れ去られていく設定のものもあります。このように舟下りだけではなく、戸沢村や最上地方、山形県内の観光地や話題の場所をめぐって紹介しています。

 また、SNSの情報だけではSNSを知らないお客様を逃してしまうかもしれないということで、高規格道路を降りたくなるような、目を引く施設などがあれば観光地としてアピールできるのではないかと思います。もちろん山形県の最大の魅力と言っても過言ではない豊かな自然を生かしたものではなりません。例えば、既存の戸沢村道の駅モモカミの里高麗館のような目を引く建物などが高規格道路の近くにあれば、お客様の興味がわくのではないかと思います。

 アフターコロナの新しい生活様式の中でも、観光地へいらっしゃるお客様が安心安全にさらに楽しんでいただけるよう、様々な企業努力が必要とされています。「行きたいなー」だけではなく、「行がんなね!」と日本のみならず、世界のお客様に言っていただけるよう、業種や地方の垣根を越えて、地域の皆様と共に協力して高規格道路のようにズンズン販路拡大していければと思います。そして、どんどん長く、便利になっていく高規格道路によってただの通過地点とならないよう、益々努力を重ねてまいりますので皆様今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。

横井ゆき氏『山形県 最上地方さ 行がんなね!』(PDF:213KB)

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