更新日:2023年2月20日

ここから本文です。

2月定例会(令和5年2月20日)

 令和5年県議会2月定例会の開会に当たり、一言申し上げます。

【本県を取り巻く情勢】

はじめに、鶴岡市における土砂災害について申し上げます。

 昨年12月31日未明に、鶴岡市西目地区で土砂災害が発生しました。お亡くなりになられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。
 県では、発災後、鶴岡市からの要請を受け、直ちに、自衛隊に災害派遣要請を行うとともに、内閣府や鶴岡市と連携しながら被災者の救助・支援に当たってまいりました。
 私自身も、被災当日に現地を訪問し、状況を確認したところです。凍てつく寒空の下、救助活動に当たっていただきました消防、警察、自衛隊など関係機関の皆様に改めて深く感謝申し上げます。
 現在、再度災害防止のための本格的な対策を進めているところです。
 被災者の生活再建に向けましては、県と市町村で実施する「独自の被災者生活再建支援策」により、支援してまいりたいと考えております。
 県としましては、鶴岡市や政府、関係機関・団体とも連携を図りながら、避難者の皆様が一日も早く安全・安心な日常を取り戻すことができるよう全力を挙げて取り組んでまいります。
 また、トルコとシリアの国境付近で2月6日に発生した地震においては、痛ましくも4万人以上の方が亡くなられております。
 県としましては、現地での救援活動を支援するため、直ちに本庁や総合支庁に募金箱を設置し、県民の皆様からの御支援をお願いしているところであり、復旧・復興が迅速に進むことを願っております。

次に、新型コロナへの対応等について申し上げます。

 

(全国及び県内の感染状況等)

 全国の新規感染者数は、1月中旬から減少に転じ、病床使用率も徐々に低下してきました。
 本県におきましては、2月に入り、1日の新規感染者数が2桁になる日も複数あったほか、病床使用率は10%台で推移するなど、全体として緩やかな減少が続いております。
 このような中、新型コロナの感染症法上の位置付けについて、本年5月8日以降、現在の「2類相当」から「5類」に移行することとなりました。
 また、マスクの着用につきましては、政府が、3月13日から「個人の判断に委ねることを基本」とする方針を示したことを踏まえ、本県も同様の取扱いとすることを決定したところです。
 県としましては、現場や県民の皆様が混乱することなく円滑な移行が図られるよう、全国知事会を通して、政府に働きかけるとともに、今後の政府の動向を踏まえ、適切に準備を進めてまいります。

(経済活動の持続と回復に向けた取組み)

 経済活動の持続と回復に向けた取組みにつきましては、中小企業・小規模事業者への対応として、抗原検査キットの配布事業により、コロナ禍での事業活動の継続を支えるとともに、新型コロナの影響に加え、原材料・燃料費の高騰等の影響を受けている事業者に対し、県独自の給付金により、事業継続を支援しているところです。
 観光面では、「全国旅行支援~やまがた旅割キャンペーン~」の実施により、県外から多くの観光客が来県されるなど、キャンペーンの効果が表れております。また、インバウンド誘客については、海外の旅行博への出展や旅行商品の造成促進に取り組んでおり、スキー場や温泉地を中心に台湾や東南アジア等から観光客が訪れ始め、徐々に賑わいが戻ってきております。
 今後も、県内経済、観光需要の回復に向けしっかりと取り組んでまいります。

次に、今冬の雪の状況等について申し上げます。

 今冬の雪により、雪下ろしや除雪作業中の事故が相次いでおり、人的被害は、2月17日現在、死者3名、負傷者75名の合計78名となっております。亡くなられた方々に深く哀悼の意を表しますとともに、被害に遭われた方々に心からお見舞いを申し上げます。
 県内では、昨年12月中旬から大雪となり、23日には県内では初となる「顕著な大雪に関する気象情報」が山形地方気象台から発表され、短時間での記録的な降雪により、観測地点のほとんどで平年を上回る積雪となりました。
 そのため、県では、12月24日に山形県豪雪災害対策本部を設置し、道路除排雪の徹底、雪害事故防止の注意喚起などについて、市町村や関係機関と連携して対応を進めてきております。
 また、2月9日には、道路除雪に係る財政措置の拡充について、市長会及び町村会との連名により、政府に対して緊急要望を行ったところです。
 今後は、気温の上昇に伴い、落雪による事故や雪崩による被害も懸念されますので、引き続き市町村とともに県民の皆様への注意喚起を行いながら、雪対策に万全を期してまいります。

 それでは、提案いたしました議案の説明に先立ち、県政運営の所信の一端を申し上げ、議員各位並びに県民の皆様の御理解と御協力を賜りたいと存じます。

【これからの県づくりの基本的考え方】

 本県を取り巻く社会情勢につきましては、新型コロナの感染症法上の位置付けが見直されることとなり、社会経済活動の正常化に向け、大きな転換期を迎えております。また、少子高齢化を伴う人口減少の加速、多発する自然災害、不安定な国際情勢、資源価格の高騰や円安等による物価上昇など、多くの課題に直面する一方、デジタル化や脱炭素社会の実現に向けた取組みが進展するなど、大きく変化しております。
 こうした課題や変化に迅速に対応しながら、ポストコロナの新しい県づくりを推進していくため、未来に向けた投資を積極的に行ってまいりたいと考えております。

 コロナ禍にあって、テレワークやワーケーションといった時間と場所にとらわれない働き方が普及するなど、デジタル技術の活用は多方面で実証から実装の段階へと進んでおります。
 政府は、「デジタル田園都市国家構想総合戦略」を策定し、デジタルの力で地方創生の取組みを加速化・深化させていく考えを明らかにしました。
 県でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)やGX(グリーントランスフォーメーション)を強力に推進し、産業の高付加価値化や、多様な働き方・暮らし方をはじめ、子どもから高齢者まで、県民誰もが暮らしやすく、若者や女性にとって魅力ある地域づくりに取り組んでまいります。

 本県は、一般財団法人日本総合研究所が実施する「全47都道府県幸福度ランキング」において、調査開始以来、全国で唯一、一貫して順位を上げ続けており、昨年9月の公表では全国第7位となりました。正規雇用者比率や持ち家比率の高さなどから、雇用の安定と家族の支え合いによる幸福な社会生活の基盤が充実しているとの評価をいただいております。
 一方で、「人口当たりの留学生数」や「事業所新設率」などは全国的に見て低い水準であり、本県の課題も見えてきたところです。
 県民の皆様の幸せの土台をより確かなものにしながら、明るい山形県の未来に向け、県民が一丸となって、果敢に新たなチャレンジをしていくことが重要であります。

 新年度の県政運営に当たりましては、「令和5年度県政運営の基本的考え方」に掲げた4つの視点に基づき、施策を展開してまいります。

1つ目は、「未来の「やまがた」をつくる人材育成・確保を推進!」であります。

 明日の山形県をつくる基盤は、何と言っても「人」であります。様々な分野でのリスキリングを強化するなど、人的資本への投資に力を入れ、本県の更なる発展の基盤を築いてまいります。とりわけ、人口減少対策として、若者・女性の県内定着・回帰の促進は重要であり、魅力的な仕事の創出や、女性が働きやすい社会環境の整備等を強化してまいります。あわせて、県外・国外の多様な人材との交流を促進し、関係人口の拡大・深化、ひいては移住・定住の増加へとつなげてまいります。

2つ目は、「持続可能な成長に向けた産業の生産性向上・高付加価値化!」であります。

 本県産業の生産性向上に向け、製造業や農林水産業はもちろんのこと、観光をはじめサービス産業など、あらゆる分野でのDX(デジタルトランスフォーメーション)を加速してまいります。あわせて、スタートアップ支援等によるイノベーションの創出や、農林水産物のブランド力強化など、本県産業の高付加価値化に取り組んでまいります。さらには、今後成長が見込まれるグリーン分野への県内企業の参入促進など、GX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた取組みも展開してまいります。
 また、コロナ禍でオンライン中心であった海外との交流について、今年はリアルでの交流の本格的な再開が見込まれることから、インバウンド誘客や海外とのビジネス交流、輸出の促進などに積極的に取り組み、県内産業のさらなる振興を図ってまいります。

3つ目は、「県民が幸せを実感できる暮らしやすい「やまがた」へ!」であります。

 結婚、妊娠・出産、子育ての希望が叶う「子育てするなら山形県」の実現や、持続可能な医療体制の提供と健康づくり、予防医療の促進による「健康長寿日本一」の実現に向けた取組みを引き続き展開していくとともに、年齢や性別、障がいの有無などに関係なく、県民誰もが自分らしく生きることができる、多様性に富んだ地域づくりを推進してまいります。あわせて、文化芸術やスポーツに親しむ機会の充実を図り、日常生活におけるゆとりや楽しみを享受できるよう取組みを進めてまいります。

4つ目は、「安全・安心な暮らしや交流を支える「やまがた強靭化」!」であります。

 昨年8月の豪雨災害など、相次ぐ自然災害からの一日も早い復旧・復興に向け、引き続き政府をはじめ関係機関と連携して取り組むとともに、県民の皆様の命と財産を守るため、ソフト・ハードの両面から、災害に強い県土づくりを進めてまいります。
 あわせて、激甚化・頻発化する自然災害の一因と言われる地球温暖化の防止対策として、「カーボンニュートラルやまがた県民運動」をはじめ脱炭素社会の実現に向けた取組みも加速してまいります。
 社会資本や交通ネットワークの整備は、県勢発展の基盤であり、極めて重要であります。とりわけ、「米沢トンネル(仮称)」につきましては、「山形県の未来を拓く希望のトンネル」であると考えておりますので、JR東日本や本県選出国会議員の皆様、市町村や産業界など、関係者一丸となって、実現に向けた取組みを着実に進めてまいります。

 以上、申し上げました施策の展開にあたりましては、誰一人取り残されることのない、持続可能な社会を目指すSDGsの理念も取り入れながら、真の豊かさと幸せを実感できる山形県の実現に向け、県議会の皆様はじめ、市町村や関係機関、そして県民の皆様と力を合わせて、全力で取り組んでまいります。

次に、このたび提案いたしました令和5年度当初予算案を御説明申し上げます。

【令和5年度当初予算を取り巻く環境】

 令和5年度の政府の地方財政計画においては、物価高騰や新型コロナへの対応が引き続き求められる中、デジタル化や脱炭素化の推進など様々な行政課題に対応し、行政サービスを安定的に提供できるよう、地方一般財源総額は、普通交付税の交付団体ベースで令和4年度を上回る額が確保されました。
 一方で、本県の一般財源につきましては、堅調な企業業績を背景に県税は増加を見込んでおりますが、地方交付税と臨時財政対策債を合わせた実質的な地方交付税は減少の見込みであることに加え、社会保障関係経費や公債費が高い水準で推移するなど、引き続き厳しい予算編成を余儀なくされたところであります。
 新型コロナの感染症法上の位置付けが5類へ移行するなど、ポストコロナの転換期を迎える中、社会経済環境は、原油価格、物価高騰や多発する自然災害、加速するDX(デジタルトランスフォーメーション)・GX(グリーントランスフォーメーション)やリスキリングの動きなど、大きく変化してきております。
 こうした時代の変化に対応しながら、第4次山形県総合発展計画に定める「人と自然がいきいきと調和し、真の豊かさと幸せを実感できる山形」の実現に向けた施策を構築するという思いを込め、このたびの当初予算は「ポストコロナ・やまがた創造予算」として編成いたしました。

【令和5年度主要施策】

 それでは、新年度における主要施策の概要について、「令和5年度県政運営の基本的考え方」に掲げる4つの視点に沿って御説明申し上げます。

はじめに、第一の視点「未来の「やまがた」をつくる人材育成・確保を推進!」について申し上げます。

 やまがた暮らしの体験やテレワークによる移住を支援するとともに、副業や兼業に関心を持つ首都圏の人材等を本県に呼び込むことにより、移住・関係人口の拡大と、地域活力の維持・向上を図ってまいります。
 また、産学官連携による女性の再就職のためのインターンシップ等を実施し、女性のキャリア形成を支援するとともに、経営者と県内外の若者との座談会を開催し、若者にとって魅力ある職場環境づくりを促進いたします。
 ポストコロナの本県産業を創っていくため、官民の若手人材を対象に、海外研修を実施し、自由な発想や、チャレンジ精神などを学ぶことで、次の時代を牽引するリーダーを育成してまいります。
 外国人介護人材に対するニーズが全国的に高まっている状況を踏まえ、県内で働く外国人介護職員及び介護事業所をサポートする「山形県外国人介護人材支援センター(仮称)」を開設し、外国人介護人材の確保及び県内定着を推進してまいります。
 東北農林専門職大学(仮称)の開学を1年後に控え、学生募集や入学試験の実施、キャンパス整備など、ソフト・ハード両面からしっかりと準備を進めてまいります。
 農繁期における労働力確保策として、官民連携による「農作業受委託モデル」を構築するとともに、後継者不足による離農農家が増加している現状を踏まえ、新規参入者やU・Iターン者を対象とした第三者継承の強化に向けたきめ細かな支援を実施してまいります。
 また、引き続き、私立学校の経常的経費や授業料の負担軽減等への支援を行い、教育の機会均等の確保、教育環境の充実に努めるほか、東北公益文科大学の公立化と機能強化に関する検討を進めていくための予算を新たに計上いたします。
 教育現場においては、市町村・産業界との連携やICTの活用による授業内容の充実など、魅力ある県立高校づくりを推進し、次代の「やまがた」をつくる人材の育成・確保を図ってまいります。

次に、第二の視点「持続可能な成長に向けた産業の生産性向上・高付加価値化!」について申し上げます。

 本県における水素社会実現に向けた戦略を策定し、外部有識者を交えたプロジェクトチームにおいて、本県における水素の製造・利活用について実験を含めた勉強を進めるとともに、FCV用水素ステーションの整備に対する支援制度を設け、県内企業の水素利活用関連産業への参入を支援してまいります。
 働き手不足等の課題に対応し、本県産業を持続的に成長させていくため、IoT、AI、ロボット等のあらゆるデジタル手法の活用による県内企業の生産性向上を図るとともに、デジタルを活用した革新的なビジネスモデルやサービスを生み出すDX(デジタルトランスフォーメーション)実現のための伴走支援を行い、産業の高付加価値化や新ビジネスの創出を図ってまいります。
 ポストコロナの観光誘客の拡大に向け、また、「米沢トンネル(仮称)」の整備効果を高めるため、霞城セントラル1階の「やまがた観光情報センター」のリニューアル整備を行い、本県の魅力発信力の強化と山形駅周辺の賑わいを創出してまいります。
 また、これまでも女性活躍などで連携してきた東京都と共に、女性の視点を取り入れた観光振興策を展開してまいります。
 「やまがた紅王」の本格デビューにあたり、デビューイベントやメディアミックスによるプロモーションなどを展開し、「やまがた紅王」の認知度向上や早期ブランド化を図るとともに、本県自慢のフルーツの魅力を通年にわたり発信する「フルーツ・ステーション」の整備と各産地とのネットワーク化に向けた調査検討を進めてまいります。
 加えて、観光面からの取組みとして、JRと連携したPR事業を展開し、「さくらんぼ県やまがた」の認知度向上を図るほか、フルーツ・ツーリズムの推進により、県内観光地への誘客を促進してまいります。
 輸入原料価格の高騰に伴い、配合飼料価格が高止まりしている状況を踏まえ、子実用とうもろこしの作付け等への支援により、県産自給飼料の生産・利用拡大に取り組んでまいります。
 また、スマート林業を推進し、林業生産の効率化や軽労化等を図るため、森林研究研修センターの機能強化を図ってまいります。

次に、第三の視点「県民が幸せを実感できる暮らしやすい「やまがた」へ!」について申し上げます。

 県民が幸せを実感できる山形を目指し、山形の未来をテーマとした高校生アイディアコンテストの開催などを通して、本県での暮らしや生き方に関する肯定感や評価の向上を図ってまいります。
 誰もがいきいきと暮らし、働くことができる県づくりを推進するため、ワーク・ライフ・バランスや女性活躍などに取り組む企業に対し、本県独自の新たな認定制度を創設いたします。
 動物愛護の機能を強化するため、老朽化が著しい庄内地区動物管理センターの移転改築に向けた基本・実施設計等を行ってまいります。
 また、医師確保対策の新たな取組みとして、県内の医療機関に在籍する若手医師が、最先端の医学知識や医療技術を学ぶことを目的に、海外研修等に参加する場合の支援を行い、地域医療をリードする医師を育成するとともに、若手医師の県内定着を図ってまいります。
 病院薬剤師の採用難が顕著となっている状況を踏まえ、県内病院に就職し一定期間勤務した場合に返還が免除される奨学金返還支援資金貸与事業の令和6年度からの開始に向けて、大学薬学部への訪問など、事業の周知や準備を行ってまいります。
 屋内スケート施設の整備について、現在「あり方検討会議」において検討されている方向性に沿って、経済波及効果に係る調査・検討を実施いたします。
 また、県立博物館の移転整備に係る基本構想素案の作成に向けて、専門家などからの意見をとりまとめるほか、現在の博物館における現状・課題の整理、先進事例の調査などを行ってまいります。

次に、第四の視点「安全・安心な暮らしや交流を支える「やまがた強靭化」!」について申し上げます。

 「宅地造成及び特定盛土等規制法」が昨年5月に公布されたことを受け、盛土の崩壊等によって災害が発生するおそれが大きいエリアを「規制区域」として、新たに指定するために必要となる調査を行ってまいります。
 人口減少や水道設備の老朽化による設備更新等により、将来的に水道料金の上昇が見込まれる中、庄内圏域における水道事業の広域化を進め、安定的な経営基盤を確保していくため、水道法に基づき、「水道基盤強化計画」を策定いたします。
 また、「米沢トンネル(仮称)」の早期実現に向けて、市町村など、地域の関係者とも連携しながら、「やまがた鉄道沿線活性化プロジェクト」に取り組み、沿線の活性化や利用拡大を強力に推進してまいります。

 これら施策を推進するため所要の予算を計上した結果、一般会計当初予算案の総額は、6,815億7,300万円となりました。

 また、公債管理特別会計など10特別会計予算案は、合計で2,551億1,377万円余となりました。

 財政運営について、今後を中期的に展望しますと、依然として多額の財源不足が生じる厳しい状況が見込まれますが、産業の振興により、県民所得の向上、県内経済の成長につながる好循環を生み出し、県税収入の増加を図っていくことが重要と考えております。
 そのうえで、今回の予算編成と同時に策定した「山形県財政の中期展望」において、歳入面では、県有財産の売却や有効活用の促進、基金や特別会計の有効活用等を図るとともに、歳出面では、引き続き事務事業の見直し・改善や、行政経費の節減・効率化などに取り組むこととしております。
 こうした歳入・歳出両面からの対策を講じつつ、中長期的な財政健全化を推進するため、県債残高の減少と調整基金の確保に引き続き努めてまいります。

【令和4年度2月補正予算】

次に、令和4年度2月補正予算案について御説明申し上げます。

 まず、政府の補正予算への対応としまして、12月補正予算において、防災・減災、国土強靭化の推進のための公共事業等を追加したところですが、その後の政府からの内示状況や事業費の精査等を踏まえ追加・整理いたします。
 また、原油価格・物価高騰の影響が続いている状況を踏まえ、地域交通事業者や運送事業者等への支援を追加するほか、道路除雪費を増額するなど、個別課題にも対応してまいります。
 こうした対応に、今年度の執行実績等に伴う補正を合わせますと、一般会計の2月補正予算案の総額は、391億7,500万円の減額となりました。
 繰越明許費につきましては、ただいま申し上げた政府の補正予算への対応など、総額で30億6,565万円余を増額補正いたします。

【予算以外の案件】

次に、予算以外の案件の主なものについて御説明申し上げます。

 山形県手数料条例の一部を改正する条例の制定につきましては、建築基準法の規定に基づく建築物の容積率に関する特例の認定の申請をする者等から手数料を徴収するとともに、介護支援専門員実務研修受講試験問題作成手数料の額の適正化を図る等のためのものであります。
 山形県脱炭素社会づくり条例の設定につきましては、2050年までの脱炭素社会の実現に関し、基本理念を定め、県、事業者及び県民の責務を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めるためのものであります。

 以上が、今回提案いたしました議案の概要でありますが、内容の詳細につきましては、議事の進行に従いまして、関係部課長より御説明申し上げますので、よろしく御審議のうえ、御可決くださいますようお願いいたします。

 

お問い合わせ