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更新日:2024年8月16日
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山形ものがたり YAMAGATA'S STORY
いいもの山形の産業編
Tsuruoka Science Park
四季美しい田園にバイオテクノロジーの世界最先端がある。
ワクワクから生まれる新しい技術・製品、そして山形の未来。
サイエンスパーク全景
2001年、慶應義塾大学先端生命科学研究所(以下「慶應先端研」)の誘致・開設によって幕を開けた鶴岡サイエンスパークは、県と鶴岡市の行政の支援をベースに、大学、民間企業、そして市民をも巻き込み、今、世界が注目する実績と未来への大きな可能性をもった面白い「街」に成長しつつあります。日本のサイエンスには足りないと言われがちなワクワク感が、研究者をはじめとする多くの人を集め、バイオベンチャーを育て、新しい技術と製品を生み出しています。
この慶應先端研は、世界最先端のバイオテクノロジーを駆使し、メタボロームなどの生物データを網羅的に解析して得られる大量のデータをITを用いて理解する「統合システムバイオロジー」という新しい生命科学のパイオニアとして世界中から注目を集めています。
こうした先端的な研究の成果として、同研究所からは、2003年にメタボローム解析の受託事業等に取り組む「ヒューマン・メタボローム・テクノロジーズ株式会社」(HMT社)が生まれ、2013年には東証(マザーズ)上場を果たしています。2007年には、世界で初めて発酵(ブリューイング)プロセスによりつくられるタンパク質素材を開発した「スパイバー株式会社(現 Spiber株式会社)」が誕生しました。以降、唾液中の代謝物質からがんのリスクを手軽に検査する「株式会社サリバテック」、腸内環境の解析を通して得られた研究成果を社会実装し「病気ゼロ」実現を目指す「株式会社メタジェン」、心不全向けの再生医療製品の研究開発を行う「株式会社メトセラ」、人工知能を活用した抗体医薬品の候補探索技術の開発を手がける「株式会社MOLCURE(モルキュア)」、高感度質量分析用インターフェイスの製造・販売を通じ、メタボロミクスなどの研究開発を支援する「インセムズテクノロジーズ株式会社」、発酵技術を用いた高付加価値食品(高たんぱく質)の開発・製造を行う「フェルメクテス株式会社」と、地方にありながら、数多くのベンチャーが生み出されてきました。
パーク内企業の看板
現在、各社とも創業後も慶應先端研と連携を続け、ビジネス化を着実に進めています。Spiber社は同社が開発したタンパク質素材を使ったアウトドアジャケットを大手スポーツ衣料企業と共同開発し製品化を実現したほか、さらなるタンパク質素材の活用分野拡大にも取り組んでいます。サリバテック社では2020年10月現在、全国で1,100を超える医療機関と提携してがんのリスク検査を、メタジェン社では企業・研究機関向けに腸内環境の受託解析サービスを行っています。
また、世界レベルのがんの研究機関である国立がん研究センターと慶應先端研が連携して、がんのメタボローム研究を実施する「国立がん研究センター・鶴岡連携研究拠点『がんメタボロミクス研究室』」も設置されており、がんの治療法やバイオマーカーの探索などに取り組んでいます。
このように、様々な機関によるバイオ分野の研究開発がここサイエンスパーク内で繰り広げられています。
山形県には、鮮やかな四季があり、街中でも春夏秋冬が美しく移り変わります。自然の変化はおいしい旬の食をもたらし、文化を育みます。欧米では一流の大学や研究所、先進的でクリエイティブな企業ほど、大都市ではなく自然豊かな地方にある場合が多く、サイエンスパークは日本での地方創生の先駆け、成功モデルとして評価されています。
慶應義塾大学先端生命科学研究所 研究風景
このサイエンスパークには、そこで働く研究者たちやその家族、視察や研修などに訪れる人々のための施設も充実しています。これらの企画・建設・運営を担っているのが、まちづくり会社「株式会社SHONAI(旧名ヤマガタデザイン株式会社)」です。
同社が手がけた「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(ショウナイホテル スイデンテラス)」は、2018年9月にグランドオープンしました。宿泊、レストラン、温泉、ライブラリーなどを備えた複合宿泊施設です。さらに11月には、児童教育施設「KIDS DOME SORAI(キッズドーム ソライ)」がオープン。ともにパーク関係者だけでなく、一般の人も利用できるように運営されており、地域にも大きく貢献しています。
慶應先端研においても、地元の高校生を研究助手や特別研究生として受け入れ、研究活動を支援してきました。また、生命科学を学ぶ全国の高校生が集う「高校生バイオサミットin鶴岡」を開催するなど、積極的に人材育成を行い地域貢献に取り組んでいます。やがて彼らが世界的な研究者、科学者として成長し、山形の明日を牽引してくれることでしょう。サイエンスパークは、風渡る米どころのただ中にあって、ワクワクする夢と未来を創る苗床でもあるのです。
SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(ショウナイホテル スイデンテラス)
晴耕雨読の時を過ごす、田んぼに浮かぶホテル
紙管を使った建築でも知られる、建築家の坂 茂氏が設計を手がけた「SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE」。館内には木造ならではの温もりある空間が広がり、客室は全119室。源泉掛け流しの天然温泉や、有機農業に取り組む自社農場から直送する野菜などを使った食事も魅力です。ライブラリ、ショップ、レストランがある共用棟は、ビジターも利用できます。
お問い合わせ
SHONAI HOTEL SUIDEN TERRASSE(ショウナイホテル スイデンテラス)(外部サイトへリンク)
〒997-0053 山形県鶴岡市北京田字下鳥ノ巣23-1 電話番号:0235-25-7424