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更新日:2020年9月28日
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山形ものがたり YAMAGATA'S STORY
いいもの山形の産業編
Cherry
山々に抱かれた地で、大事に大事に育てられる、日本一のさくらんぼ。
真っ赤に色づいた可憐な実が山形に初夏の訪れを告げる。
赤く色づいたさくらんぼ
山形を代表する味覚、さくらんぼ。日本一の生産量を誇り、全国の7割を占めています。東根市、天童市、寒河江市などを中心に、壮麗な山々を望んでさくらんぼ畑が広がっています。
山形でさくらんぼの栽培が始まったのは、明治8年のことです。全国で育成が試みられる中、実らせることに成功したのは本県とその周辺だけ。
大きな要因となったのは気候でした。雨に弱いさくらんぼにとって、山に囲まれ空梅雨になることが多い山形の環境が非常に適していたのです。当時は生食での流通が難しかったことから、缶詰用の栽培が主流だったと言います。
現在つくられている品種の最高峰は「佐藤錦」。黄色に紅色が差す美しい見た目、甘味と酸味の絶妙なバランスが人々を虜にしてきました。
生みの親は、東根市の佐藤栄助氏。家業の醤油醸造を果樹栽培に切り替え、日持ちが良く甘みにも優れた生食用のさくらんぼを、関東方面に出荷できないかと考えます。
「佐藤錦」の生みの親 佐藤栄助氏
佐藤氏が着目したのは、缶詰によく使われていた「ナポレオン」と、傷みやすいが味は良い「黄玉」でした。そして、はじめて実を結んだのは、交配開始から10年もの月日が経った大正11年。さらにその2年後に1本の原木を定め、昭和3年、親友の苗木商・岡田東作氏が付けた「佐藤錦」の名で、世に送り出したのです。
佐藤錦のデビューは、山形がさくらんぼ日本一として躍進する大きなターニングポイントになりました。誕生から100年たった今も、トップスターであり続けています。
昭和の終わりから平成にかけて、佐藤錦に追いつけ追い越せと、様々な品種が生まれました。ジューシーでさっぱりとした甘さが特徴の「南陽」、甘酸っぱく赤肉の「紅さやか」、甘みが濃くしっかりした果肉の「紅秀峰」、大粒で味が濃厚な「紅てまり」、鮮やかな赤色の「紅きらり」、果汁が多く早生の「紅ゆたか」など。
そして、期待の大型新人が「やまがた紅王」です。艶のある紅色が鮮やかで、なんと500円玉よりも大きい直径約3cmの大玉は食べ応えも抜群。令和5年の本格デビューに向けて注目を集めています。
令和5年本格デビュー予定の「やまがた紅王」
さくらんぼは、生産者のたゆまぬ努力の結晶です。
寒さ厳しい冬。降り積もった雪で枝が折れないよう、丁寧に雪を払います。春に向かっていく2月頃、日当たりや風通しを良くするための剪定作業は欠かせません。また、3月には、手作業で花芽を間引いていきます。枝ひとつひとつ、樹一本一本、畑の隅々まで芽欠きを行う途方もない根気と、芽の良し悪しを見分ける経験知が必要とされる作業です。
花が咲く4月。花粉を運んでくれるミツバチやマルハナバチが活躍します。ただ、ハチはある程度の気温にならないと活動できないため、毛ばたきを使って人の手で受粉させていくことも不可欠です。
実をつける5月。大きさ、形、傷、日当たりなどで判断し、良いものだけを残して摘果。雨よけハウスや防鳥ネットで大切な実を守り、色付きを待ちます。
いよいよ収穫期に入る5月下旬から7月、農家は一番の繁忙期を迎えます。気温が上がらないうちに手早く、かつ慎重に収穫。粒ぞろいの実がぎっしりと美しく並ぶ箱詰めの熟練した技は、大きさのバラつきや配送中に傷が付かないための工夫から生まれました。
こうして、多くの手間暇がかけられ、山形のさくらんぼは全国に届けられているのです。
さくらんぼの収穫作業
さくらんぼシーズンの時期、地元では、直売所が活気づきます。店先にもぎたてのさくらんぼがずらりと並び、心待ちにしていた人々が大勢訪れます。「毎年この農園のさくらんぼを買う」と決めているお客さんも多いとか。
また、果樹園でのさくらんぼ狩りも人気です。畑に入ると、目の前に広がる鈴なりのさくらんぼに心が弾みます。完熟の実を自分で採り、その場で口にほおばる嬉しさ。品種ごとに違う味わいや食感を楽しみ、スタッフの方との会話も弾めば、きっといい思い出になるでしょう。
最近では、カフェが併設されているところもあり、ふんだんにさくらんぼを使ったパフェやソフトクリームは、贅沢感たっぷりです。
地の利と人々の情熱が生み出した山形のさくらんぼは、箱を開ければ感嘆の声があがり、ひと粒食べたら笑みがこぼれる赤い宝石。夏のはじまりとともに、多くの人々の心を彩ってきた、山形の代名詞です。
贈答用さくらんぼ
東北最大級、さくらんぼのテーマパーク
道の駅寒河江、通称「チェリーランド」は、東北で最大級の規模を誇るさくらんぼのテーマパークです。レストランや物産館の他、同じく敷地内にある「さくらんぼ会館」では、さくらんぼの歴史や栽培に関する資料を展示しており、またオンシーズンになると、さくらんぼ狩りの受付窓口も開設しています。日本一のさくらんぼをぜひご家族や仲間と体感してみてはいかがでしょうか?
お問い合わせ
道の駅寒河江チェリーランド
〒990-0523 山形県寒河江市大字八鍬川原919-6 電話番号:0237-86-1818