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更新日:2020年9月28日
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山形ものがたり YAMAGATA'S STORY
いいじかん山形の祭り編
Shinjo Festival
荘厳華麗、山車行列。子どもたちの掛け声、勇壮な太鼓、賑やかな笛と鉦の音。
300年の歴史を繋いで、夏の新庄を練り歩く。
宵まつりの山車
毎年8月24日~26日に開催される新庄まつり。江戸時代中期の宝暦6年(1756年)、新庄藩主・戸沢正諶(まさのぶ)が、大凶作で疲弊した民衆を活気づけるため、天満宮の祭礼を領民あげて行ったことに由来すると言われています。
2009年に国重要無形民俗文化財指定、2016年には、新庄まつりを含む全国33の「山・鉾・屋台行事」がユネスコ無形文化遺産に登録されました。
まつりの主役は、幅約3m・長さ約8m・高さ約4.7mに及ぶ荘厳な山車(やたい)。一台一台趣向を凝らし、歌舞伎の名場面や歴史絵巻を作り上げます。20台にも及ぶ山車製作を手がけるのは、旧城下町ごとに組織される「若連(わかれん)」。毎年1月には構想を練り、まつりの2か月ほど前から「山車小屋」で本格的な製作を開始します。
山車に使われる五重塔、館などの建物、山や滝、波しぶき、桜、松などの自然景観、さらに登場人物や動物の人形、衣装や小物にいたるまで、すべてが創意工夫による手づくり。人形の頭・手足は、代々100年以上にわたりまつりを支えてきた、人形師の野川家が手掛けます。
山車の制作風景
本番1週間前になると、若連は朝から夜遅くまで山車小屋にこもりっぱなし。町の期待を一身に背負い、過去の出来を超える山車でまつりを盛り上げようと情熱を傾けます。曳き手となる我が子に、立派な山車を曳かせてやりたいという親心で、さらに作業に熱がこもります。完成する頃には、思い余って、来年の山車のアイデアにまで話題が及ぶこともあるとか。
一方、子どもたちは、毎晩のように山車づくりに出かける父親の背中を見て、どんな山車ができあがるのかワクワク。まつりにかける熱意は、こうして親から子に、子から孫へと受け継がれ、脈々と息づいているのです。
いよいよ、市民が何より心待ちにしていたまつりの3日間が幕を開けます。まつりに合わせて休みを取るのは珍しくなく、新庄市および最上地域の小中高校は、なんと期間中すべて休校。お盆よりもまつりのために帰郷する出身者も多いのだとか。
初日は宵まつり。
日が暮れ始めた夕刻、子どもたちに曳かれて山車が動き出します。響き渡るのは、「チェレンコヤァッサー!!」という元気な掛け声と、囃子若連が奏でる華やかな音色。市内を巡行した各若連の山車は、やがて新庄駅前の広場へ。照明に照らされた歴史絵巻が、宵闇に浮かび上がります。幽玄の世界、壮大なパレードに、会場はまつり客の歓声に包まれ、熱気で溢れかえるのです。
神輿渡御行列
2日目、本まつり。
街を練り歩くのは、新庄藩の武士に扮した総勢200名余りの神輿渡御行列。それに続いて山車も駅前通りを抜け、再び、昨夜の熱気さめやらぬ広場へ向かいます。
山車の巡行には、電線に引っかからないよう、長い棒を持った「電線上げ」役が付くのも、山車まつりならではの恒例の風景。陽の光を浴び、際立つ絢爛さ、鮮やかさ。若連衆のいなせな法被姿と掛け声、囃子のリズムも相まって、街はいっそう賑やかさを増していきます。
最終日の後まつり。
「飾り山車」として、中心商店街に各若連の山車が一堂に展示されます。見上げても足りないほどに背の高い山車がずらりと並ぶ様はまさに圧巻です。
3日にわたって繰り広げられた新庄まつりは、夕刻の手締式で閉幕します。熱いまつりの余韻は、来年、再来年、さらにその先へ継承していく決意を新たにさせます。こうして繋いできた伝統、山車は、市民の意気。世界に誇る新庄の宝なのです。
<取材協力>
新庄ふるさと歴史センター・新庄まつり山車行事保存会
飾り山車
大迫力の山車と、まつりに懸ける心意気に触れる
新庄ふるさと歴史センターでは、その年優秀作品に選ばれた山車が2台常時展示されており、荘厳な新庄まつりの雰囲気を、一年を通して感じることができます。また、まつりの歴史や当時の暮らしにまつわる様々な展示等も行っており、新庄まつりをより深く楽しむことができる施設となっています。新庄駅「ゆめりあ」にも1台常時展示されており、新庄に来られた皆様をお出迎えしています。
お問い合わせ
新庄ふるさと歴史センター
〒996-0085 山形県新庄市堀端町4-74 電話番号:0233-22-2188